麦わら帽子に夢を見る【ONE PIECE】 (ページ23)

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episode 23 ページ23

「ここ…廃島だ」

街に残る建物には、痛々しい戦争の跡が沢山ある。

見る限り、30年以上は経ってそうだけど…

私…本当にこの島で生まれたの？

私は恐る恐る島へ足を踏み入れ、アーケードをくぐる。

少しずつ先に進むと、ポツポツと明かりのつく家や、人が歩いてるものの…

『お？なんだねーちゃん…この海から脱落してぇのか？』

『へへっこりゃ上玉じゃねぇか…』

ここにいる人達は、この島の人達じゃない。

多分、新世界に入って海賊をやめた人達。

元の海には帰れないから、この廃島に集まってるんだ。

「……ねぇ、聞きたいんだけど」

『あ？なんだよ』

「ここに麦わら帽子の男が来なかった？草履を履いた男」

『知らねぇな』

ルフィは私よりだいぶ前を歩いてたはず…

これは、早々に合流して帰った方がいい。

この島には食べ物どころか…もしかしたら、

海「おい！！お前3年前に消息不明になった海賊だな！！」

「……やっぱり」

こういう島は、戦意を失った海賊が集まるため、海軍にとっては宝の山だ。

沢山捕まえれば、その分評価される海軍じゃ…この島は危ない。

何人もの海軍がウロウロしてる可能性がある。

私は建物の影に入って、急いでナミたちに連絡を取ろうと電伝虫を手に取る。

『…がちゃ』

ナ「もしもしA？どうだった？」

「ナミ！？ここに来たらダメよ！！この島は廃島で海軍が……」

私がそこまで言った時、

真後ろから電伝虫を掴まれ、メシャ！と潰される。

「誰！？」

私は勢いよくバッと振り返り、持っていたピストルを相手に向けた。

電伝虫潰すなんて…握力が尋常じゃない。

中「…すまないね、仲間に連絡されると困るもんで」

そこにいたのは…

私が、まだ島で護衛兵をしていた時に見回りに来ていた…中将だ。

しかも、私が護衛兵を辞めるきっかけになった人。

「海軍が今更…っ！なんのつもり！？捕まえにでも来たの！？」

中「おーおー、威勢がいいなぁ。捕まえに来たんだよ…お前を海軍に連れ戻すためにな」

海軍に連れ戻す…ってどういうこと？

私はしっかり手順を踏んで海軍を辞めた。

決して、バックれた訳でもなんでもない。

しっかり書類を受理してもらって辞めたから、問題なんて無いはずなのに…。

「どういう意味なの…ハッキリしなさいよ！！」

中「どういう意味も何も、そのままだよ。お前は、海軍でもう一度戦ってもらう。これァ…元帥サカズキの指示だ」