麦わら帽子に夢を見る【ONE PIECE】 (ページ16)

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episode 16 ページ16

「んー…」

ル「あ、起きた」

「…ルフィ？」

寝ぼけてて、ぼーっとする頭でルフィを見上げる。

そっか…私ルフィとくっついたまま寝ちゃったんだ。

ル「すげー幸せそうな顔してたぞ」

「え？あ～…海軍だった頃の夢見てた」

懐かしい夢だったな…。

最近は海軍だった頃の夢なんて見なくなってたし。

海軍辞めてすぐの頃はよく見てたけど…

私の部下どうなったかな、とか。

島の人達は今どうしてるかな、とか。

正直、勢いで辞めた手前未練もあったから。

ル「…海軍の頃？」

「うん、しっかり覚えてはないけど…最初に会った島にいた時のとか…」

ル「ふーん」

あんまり興味無さそー…とルフィの顔を見上げると、ルフィはわかりやすく不貞腐れた顔をしていた。

…あれ？私今なんか変な事言ったかな？

ルフィはわかりやすいから…なにか私の発言が気に入らなかったのだろう。

でも…今「海軍の頃の夢見た」って話しただけだし…。

いやいや、なにがルフィの地雷だったの？

「…ルフィ？」

ル「そういやサンジがおやつ作ってたぞ、キッチンにあるって」

「え？いや…そうじゃなくて」

なんでそんな不貞腐れてるの、って声をかけようとした時。

ウ「ルフィー！！珍しい魚の大群がいるんだよ！！釣りしようぜ釣りー！！」

ウソップが、バン！と勢いよく扉を開けて入ってきた。

普段なら、目をキラキラさせて「珍しい魚ー！？」って言いそうなのに…

ル「おー」

ウ「ん？あれ？なんかテンション低くね？」

ルフィのテンションは、上がらず。

いや、絶対おかしいでしょ…！

ルフィは、私に何か言うことなく毛布の中から出てウソップの元へ行く。

「ちょ、ルフィ！」

ウ「え？なに？喧嘩？なに？」

私の引き留める声すら聞かず、扉の外へ出ようとする。

もう…普段不貞腐れてることなんてほとんどないくせに、不貞腐れると全然話聞かないんだから。

もうこの際、なんで不貞腐れてるのかはどうでもいい。

「もう！！そんな格好で出てったら寒いでしょ！！」

私は毛布を持って追い掛けると、ルフィにバサッと掛けた。

船長が不貞腐れて体調崩すんじゃ、示しがつかないじゃない。

私が毛布をかけると、ルフィはその毛布を受け取り、ジトーッと私を睨む。

私も負けじと睨み返すと、ルフィはグギギ…と歯ぎしりしてから、叫んだ。

ル「…っだー！！もう！！なんなんだよ！！」