2,出会った日 ページ3
煉獄side
おおよそ2年前のあの日は当時同じ階級だった小野塚(男)との合同任務の最中だった。
この小野塚という男、とにかくおしゃべりであった。
「やるなぁ煉獄!お前のおかげで思ったより早く終わったな。お前は明日非番か?」
「あぁ、そうだ!」
「じゃあ、この間の女の子とお出かけといったところか?」
「誰のことだ?」
「誰って、この前お前に花束とさつまいも持ってきた奴居たじゃねえか」
「あぁ、いたな!それがどうした!」
「どうしたもこうしたもねえよほんとに…あの子はお前のこと好いてるんだよ!お前の好物も律儀に聞いてきてさぁ」
「そうだったのか…?」
「そこそこ美人だったし、俺が付き合いたいぐらいだっつーの」
「その子が俺を好きというのは小野塚のはやとちりではないか!花束とさつまいもをくれたからと言って決めつけるのは違うぞ!」
「なんで分からねえかなぁ」
この小野塚という男、たまに変なことを言う。「あの子が俺を好いてる」?なぜ言い切れるのかよく分からんし、別に俺はあの子のことは異性として好いてはいない。それに今はそれどころではな…「鬼の気配だ」
「何?」
「鬼の気配だ」
小野塚、お前はおしゃべりおせっかいのくせに憎たらしいほど感が鋭い。
「西の方角だ、行くぞ」
「あぁ」
俺たちは月の沈む西へと針路を変えた。
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作者名:炎華 | 作成日時:2023年3月7日 16時