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you side
今日は衣装打ち合わせだとか言われて事務所に来たのはいいが、パパっと確認資料用の写真まで撮って手際よく終わった
久しぶりに休みでももらえるのかとソワソワしたけど違うみたい。だってカメラスタッフがメイキングカメラなのか今もずっと回してる。
＿『ほら、こっち来て』
ユラさんに言われるがままついて行った部屋には、床には敷かれたマットと段ボール。テーブルの上には紙に包まれたなにかがあった
「え、なにこれ」
＿「日本から遥々ね」
「え、え、、」
まず段ボールから出されたのは、小物みたい。
あまりにも特徴のある物だからこれだけで察する
「うそ、」
＿「嘘じゃないよ笑」
＿「ほら、髪飾りもある。」
「私、髪色明るいけど似合うかな」
＿「似合うようにセットするのが私らの仕事だよ」
「そか、」
＿「そのかわりというか、出来るのは日本の専門学校出身は私しかいないから時間はかかるよ」
「うん」
＿「着物も着付けるからね」
「ありがとう、ユラさん」
カメラさんは先程からハテナ顔で、きっと日本語が分からないからだよなとごめんなさいって
思わず韓国語で話そうと思ったけれど、ユラさんが今日くらい今ぐらいは忘れて話しなって
＿「ほら、出来たよ」
「………」
鏡を見れば憧れていた姿をした自分がいる
綺麗な刺繍が施された振袖、海外で活動してんだからと諦めていたのにどこか夢みてた
日本らしい学校生活とか節分だったりお祭りに行きたいとかも、しょうもないけどこたつだとか些細なもんも別にいいやなんて気にもしなかったのにな
＿「やっぱり日本人だね。似合うよ」
「ありがとうございます、」
ユラさんは本当に器用だとも思う。
パパっと着付けてメイクも髪もしてくれたんだもん
普段は韓国アイドルらしいのに、今日は本当に、なんか、日本人みたいだ。
「これ大丈夫、かな」
＿「なんで」
「めちゃくちゃ日本人じゃない…？」
＿「これで炎上したら理不尽過ぎでしょ」
「でも、」
実際問題、私が諦めていた理由にはそこも含まれていてチームに批難が来たらどうしようと思っていたからで
まだ一部の人は難しい顔をしていたわけで…
＿「あんたの夢は人を傷付けるものなの？違うでしょ」
「うん」
＿「ほら、他の人にも見てもらおう」
慣れない下駄で着崩さないようにと気を付けて、ユラさんに連れられるがまま駆けていった
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作者名：ring | 作成日時：2023年10月15日 1時
