Dear my girl (ページ21)

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_21.現実ページ21

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"永遠"なんてないと分かっていたはずなのに、
私とオンニ達の夢が崩れる日はとても簡単に訪れてしまった。

＿『A、すまない』

『………………』

ついこの間、久しぶりにデビュー候補の女性練習生のみでレッスンがあったばかりだったのに…

なのに、私は今目の前の書類を見つめながら大人に謝られてる。

＿『ずっとお前をメインとした女性グループを作りデビューさせると言ってきた』

＿『だが今のうちじゃそれは到底難しい』

＿『万が一出来てもその頃にはお前は25歳…いや、それすら過ぎてるかもしれない』

事務所は防弾少年団を優先した。

当たり前だけど、こんなにも簡単に私たちを手放すだなんて悲しくなった。

＿『ここだけの話だが、君たちはうちと仲のいい事務所とまた共同あるいはそこへ移籍してデビューする話があがってる』

＿『だけどAだけは避けたいんだ』

『なんでですか』

＿『ササクラAはBIG HITの宝だからだよ。なるべくなら手放したくない』

＿『だけど、女性アイドルとしてデビューするのなら、いっそその事務所以外の元へ行って欲しい』

『…芸能界から干されるか、女1人のまま防弾少年団で活動しろと？』

＿『…………』

『ワガママだ』

＿『そうだよな、笑』

笑ってごまかせる話なんかじゃないのに

確かに私は防弾少年団のお兄さん達と仲良くなった。それにクオリティや事務所の力の入れ方を見ればデビュー優先は圧倒的にどこかだなんて分かる。

でも、オンニと私とでこんなにもあからさまに対応が違うのが嫌だった。

これも商売だ。仕方ない。なのに生々しい話は頭で分かっていても気持ちの良いものではなくて喪失感に襲われる。

私の逃げ道はまた1つ消えていく。

"紅一点が嫌でも後々女性グループで仲の良いオンニとデビューできるんだから"なんて己への励ましもなくなる。

これから私に残された道はオッパ達とデビューすること。
ただし大切なオッパ達の足を引っ張ることは確かなんだ

あるいは、事務所を辞める。
でもどんなに逃げたくても事務所の宝だなんて言われ、公開練習生として活動もしたんだから忘れられるまで普通の生活も出来やしない。

なんで、こんなことになってしまったんだろう