第七話 ページ9
「っ……」
ミ「皇子？！」
目が覚めると、自室で横になっていた。
…また、発作で倒れたのか……。
だめだな、興奮して感情のままに動き、結果周りに迷惑をかけるなど皇子として情けない限りだ…。
「ミンス…？私は一体…どれだけ眠っていた…？」
そばにいたミンスに聞く。
おそらく、父上の命を受けて私に着いていてくれたのだろう。
父上の側付きなのだからそれなりの仕事があるだろうに…
ミ「皇子、まずはお水を」
ミンスはそう言って水を飲ませてくれる。
…だいぶ体が鈍っているように思う。
それだけの時間寝ていたと言うことか…。
ミ「ご質問にお答えいたしますと、丸々五日間眠っておられました」
何？！
五日間？！
それでは今はヨナの誕生日の宴が開かれているのでは…？
まずい、プレゼント！
あれを渡さないと…
店主に手伝ってもらった意味がないじゃないか！！
焦って起きあがろうとすると、ミンスに止められる。
ミ「皇子！どこにいかれるおつもりですか！安静になさってください！！」
「だってあれから五日ってことは今ヨナの宴が行われているのではないか？！贈り物！贈り物持っていかないと…！」
ミ「確かに宴の真っ最中ですが…わかりました！私が届けますから贈り物がどこにあるのか教えてください」
全く、ああ言えばこう言う…自分で渡したいんだ！
「いや、自分で行く！ついてきてくれないか？」
こればかりは譲れない！
ヨナの喜ぶ顔が見たくて選んだんだ！誰かになど任せられるか…！！
そんな私の気持ちを察したのか、ミンスは少しだけですよと許可を出してくれた。
「助かる。この寝台の下の箱の中に入っている桐でできた小物入れをとってくれ！」
そう頼むと、少し困ったような顔をしながら箱を取り出してくれた。
ミ「桐の箱の中の小物入れ…？これですか？」
それは、小さく6体の龍の姿が描かれた小さな小箱。
中には例の腕輪が入っている。
念のため中身を確認すると、しっかりと三色の石のついた腕輪が収められていた。
ミ「それが姫様への贈り物ですか？」
「ああ。金剛石はこの時期の石らしいからな」
ミ「金剛石？この、桃色の石ですか？」
困惑が隠せないと言う表情のミンス。
私も驚いたからな…
「こうしている間も家臣たちが贈り物をしているだろうな…さて、ミンス、行くぞ」
そうして宴の会場に向かった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 103人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
