俺が落とす【男主】 (ページ24)

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「愛してるからこそ」ページ24

「でもスンミンは俺のこと守ってくれた」

「そうなのか？」

「俺が1度襲われそうになったとき、助けたって言ってた」

「 ……それって、この前の休みの日だろ」

あれを助けたのは紛れもない俺だ。

でも俺は、言えなかった。

嫌われてると思ってたから。

色々すれ違いしてたんだなあって思ったら、すごく、胸が切なくなった。

「そうだけど」

「 ……あれを助けたのは俺だ」

「え？でも、幼馴染みと会ってたんだろ」

「 ……それは本当だけど、お前を見かけて、追いかけたんだよ。そしたら襲われそうになってて……そのときに知ったんだ。お前がΩだってこと。」

相手の声が途絶える。

きっと、顔面蒼白だろう。

でも仕方がない。悪いのは独占欲に塗れた愛の支配者だ。嘘を伝えたって、いつかバレるのに。

そのくらい、本気なんだ。

「 …………もしもし？」

そう呼びかけるも、返事は返ってこない。

「チャンビン？おい、話はまだ＿＿＿＿」

「阿呆だなあ、どいつもこいつも」

ハッとして、ドアの方を向く。

俺にガンを飛ばしてきてるのは紛れもないスンだった。

「 ……お前、まさか」

「 1回黙らせたところでその傷じゃ助けに行けないよねえ？」

「おいてめえ何した！！！？」

彼は高らかに笑う。

「なんでお前に教えなきゃ行けない？別れたくせに恋人ずらすんなよ」

「 ……っ、確かにあの時の俺は、俺の気持ちに気付けなかった。でも今は違う！本気であいつの事が好きなんだよ！！お前だって分かんだろ！好きな人を傷付けてどうすんだよ！！」

「僕をこうさせたのはお前だろ！！！お前のせいだ……全部お前が悪い！！！！だからお前の好きな人を傷付ければ、お前はもっと傷付くし、助けられない罪悪感で死にたくなる…っ」

違う。

それはスンも一緒だ。

全てを捨ててまで、

そこまで、

俺という存在が許せなくて、

嫌いで、

チャンビンのことを愛してるんだろう。

「 ……誰が助けに行かないっつった？」

思いっきり起き上がり、痛む腕を考えないように進み出す。

ドアを塞ぐように立ちはだかる。

「行かせない……っ、お前はここで、罪悪感を味わえ…！！！」

「 …………ごめんな」

傷を受けていない方の手で思いっきり鳩尾に拳を入れた。

「っ！？！？」

声にならない叫びでそのまま蹲る。