俺が落とす【男主】 (ページ23)

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「どうしてそんなことするの」ページ23

ん…？ここは……？

目の前にいるのは、チャンビン……

「 ……ねえヒョン、俺の首、噛んで……？」

はだけた肩が露わになって、鼓動が早くなる。

今すぐにでも本能のままに食らいつきたい。

そのまま手を伸ばして腕を掴んだ。

「 ……っは！！！！」

真っ白な天井。

ここはどこ？

「ヒョン！！！起きた……？！」

「 ……イエナ、？」

「そうだよ、心配したじゃん……っ腕、痛い？」

そうか俺、腕にカッターを刺して……

「チャンビニヒョンが血相を変えて部屋に来たからなんだと思ったら…… 」

「チャンビン、気分悪くしてなかったか？」

「えぇ、人の心配より自分の心配してよ……まぁ結構焦ってたけど電話してくれたのもチャンビニヒョンだし、大丈夫だと思うよ。ただ、俺は行けないから頼むって言われた。」

「そっか……ありがとな。」

そう言うとイエナは照れ臭そうに別にいいんだけどさ！と頭をかいた。

俺は行けないから。

きっとそれは、ヒート状態だから、だろう。

薬を飲まないのには訳があるんだろうか。

それともただ単にまだ飲んでなかっただけ？

「じゃあ俺は帰るね。ちゃんとナースさんのいうこと聞くんだよ」

「はいよ。ありがとな～」

ドアが閉まって、シン、とした空気になる。速攻で電話を取り出して、チャンビンに連絡した。

ワンコールでかかる。

「チャンビン？？」

「ヒョンｯ！！？大丈夫？！？！」

「俺は大丈夫だけど。お前、なんで薬を飲んでなかった？」

少し怒り口調なのは心配してるからだ。

前みたいに襲われるところを、もう二度と見たくないし防げるなら防ぎたい。

「 ……最近、薬がなくなってて… 」

「なんで買いにいかない？」

「違う！……隠してるのに、消えるんだよ。買った次の日にはもう無くなってる。誰かに、捨てられてるのかもしれない」

……なんの為に？

もし事情に気付いたら、何故そんなことをする？

「俺、最初は……ヒョンだと思ってた。」

「っは？なんで…… 」

「俺のこと恨んでると思ってたから……でも、ヒョンは俺の目の前で腕を刺して本能を抑えようとしてた。そんな奴がわざと薬を捨てるようなことするとは思えなかった。」

「 …………スンじゃないのか」

分かってても、気付きたくなかった。