俺が落とす【男主】 (ページ3)

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「アイツは俺のことが嫌いみたい。」ページ3

「ヒョンゲームしない？」

「弱いけど俺」

「ヒョンがいいの」

「そんな目で見られても弱い俺は」

フィリックス。

甘いマスクと洞窟ボイスというギャップに女の子は落ちるらしい。

抱き締めるのが癖みたいだが、夏は暑い。

小動物みたいだが、俺には狼にも見える。ゲームしてるときだけ。

ダンスも成長してきて、かっこよくなってきた。

「 A 」

「嫌」

「まだ何も言ってない」

「ほんっとに嫌」

イミノ。

ただの変態セクハラストーカー男。

ダンスだけは尊敬してる。それ以外却下。

気がつけば俺の服に手を入れている。

サイコパスだからそのうち閉じ込められるんじゃねえかと思ってる。

「 Aヒョン～」

「ねえあいつ排除して」

「リノヒョン？」

「そうまた変な目で見てきたから」

ヤンジョンイン。

最近可愛さなくなってきてお兄ちゃん驚いてる。

イエナの歌声好き。ファン。

ツンデレ気味だが反抗期が来るのは当たり前……だと思う。

「あ、」

皆が通り過ぎて行った後、彼はやってくる。

「ソチャンビン」

カランッ

金属が落ちたような音に、こっちがドキッとする。

「 ……っ」

焦った様子でそれを拾う。落ちたのはアルミの皿だった。目を合わせようとしても、合わない。

彼は俺が嫌いだ。

「 ……そんな顔すんなよ」

なんで苦手かは、分かっている。

俺が1度、怪我をさせた。

その事実は、消えない。

ソチャンビン。

彼のラップは、世界一だ。

イケメンとは言えない顔だが、その性格や面白さ、顔の広さなどを見たら気にはならない。

俺が女だったら、1番付き合いたい男かもしれない。

反感を買うようなやつではないし、平凡な男だ。イケメンは嫉妬に狂われるのがお決まりだから。

＿＿＿＿今は、そう思う。

スっと俺の横を通ろうとするのを、腕でガードして捕まえる。

「 ……っ」

「 ……そんなに嫌か？俺のこと」

「 …離して」

ただ一言、そういうだけで。

暴言を吐くわけでもなく、やり返すわけでもなく、怯えた目で見つめてくるのだ。

その目には失望という意味も込められているかもしれない。

「 ……ごめん」

腕を下げると、無言のまま皆の方へ向かった。

ムードメーカーである彼との絶縁は辛いものがあった。