俺が落とす【男主】 (ページ13)

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「あぁ、そうか。」ページ13

今日は朝から撮影だった。

3人ずつに分かれて、雑誌のインタビューに答えるというものだった。

何故かクジが用意されていて、引くことに。

今1番恐れていたことだった。

ここでチャンビンのなったら、気まずいどころかもう1人にものすごく迷惑をかける。

自分の番になってクジを引く＿＿＿＿3だ。

「 …………3。」

恐る恐るそう呟いたら、スンが手招きしてきた。

その横に、斜め下を見つめるチャンビンがいた。

「 ………よろしく」

「うん。さ、行こ！」

スンが真ん中に入ってくれたおかげで一言も会話せずに済んだ。

しかし雑誌の撮影は長かった。

休憩になり、トイレに行ってハンカチで手を拭きながら出てきたら、2人が太陽みたいな笑顔で話してるのを見て、少し躊躇した。

彼らの間には入れない。

暫くトイレにいようかと思って鏡を見ていたら後ろからわっと脅かされる。

「うわっ！！？」

「ボーっとしてんね」

「おいイリノ刺すぞ」

「そんな悲しい顔して言われても」

イリノに言われて再び鏡を見る。

自分の顔が窶れてる気がして、はぁ、とため息を着く。

考えすぎなんだろうな、最近。

「 …Aさ、気づいてたでしょ？」

「ん？何が」

あ、もしかしてチャンビンのΩのこと＿＿＿＿

「スンミンがチャンビンを好きってこと」

「 …へ？」

「今更鈍感キャラは痛いって」

「なあ。どういうことだよ」

「お前が好意もなく付き合ったこと、いたくご立腹だったみたいだけど」

そりゃ、そうだろ…！！！

俺だってそれ知ってたら付き合わなかっ…付き合わなかったのか？

だって好きじゃなかったし。

本当に、好きじゃなかった？

恋愛に興味が無い、恋愛が理解できない。

そう言い訳をつけて、好きという気持ちを認めなかっただけじゃないのか？

そうじゃなかったら。

そうじゃなかったら、今、二人を見て、

なんでスンと同じ気持ちになってんだよ。

「恋ってなんなのかわからないけどさ、付き合えるってことは、そういうことじゃないの」

「でも、邪魔出来るほどの気持ちじゃ… 」

「奪われてもいいんだ」

「 …っ」

「時間は無限じゃない、有限だよ。今じゃなきゃ、後悔する、と思うよ。俺はね。だから譲らない。絶対に」

イリノが誰のことを言っているのか分からなかったが、その言葉は俺に響いた。

でもまだ、動けなかった。

衝撃だった。