俺が落とす【男主】 (ページ12)

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「みんな嘘つきになる。」ページ12

「俺、昨日は幼馴染みと会ってたから。」

嘘はついてない。

確かに俺は、幼馴染みと会った。

「 ……そっか。ごめん。」

その二言が何故か心に刺さる。

言った方が良かったのだろうか。
しかしどう考えてもマイナスにしか考えられず、結局歯も磨かないままもう一度自室に戻った。

なんの、確認だよ。

むしゃくしゃして、布団の中に体を丸め込む。

.

ﾊﾞﾀﾝ

ドアが閉まり、ほっと胸を撫で下ろす。

ずっと無視し続けていたヒョンに、話しかけてしまった。

何故あんなことを聞いたかって？
俺の夢の中かもしれないが、昨日、彼の声を聞いた気がしたからだった。

スンミンを疑ってるわけじゃない。

でももしそうだったら、スンミンは俺のことが好きだから隠すだろうなと思った。

結局違ったのだが。

ヒョンはいつだって、いつも通り接してくれている。

俺の腕を傷付けたことを、物凄く気に負っていることは分かっている。

俺は実際そんなことをしたヒョンでも、今もまだ好きだ。忘れられない。そりゃそうだ、毎日一緒に生活してて、忘れる方が無理がある。ふっきれるなんて今更出来ない。練習生の頃から、ずっと好きだった。

ﾍﾀﾘ、と床に座り込み、顔を手で覆い被せる。

＿＿＿＿あぁ、好きだなあ。

出てくる涙を、止めることも出来ない。
失恋したという事実をどうしても受け止められなかった。

だから、謝れなかった。あの日も。

俺はもう恋愛以外では見れないから。
今更友達でいることなんて出来ないから。

だから、ごめんな。

これからも、ごめんな。

助けに来てくれたのがヒョンだったら。

そう、思いたかった。

＿＿＿＿＿

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