すむりるごぷ ページ29
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スンミンside
窓の外を眺めて、心を落ち着かせていた。
今は何も考えないようにしようと思っていた。
練習のときくらい真剣に、集中してやろうと。
ヒョンジンは数日前僕に突っかかってきたときからずっと上の空だった。心ここに在らず、みたいな。
生気の抜けた空っぽの人間になっていた。
……イエナから聞いたが、ヒョンジンはソジュンのことが好きらしい。
だからきっと、ずっとソジュンを敵視している僕のことが嫌いなんだろう。
敵視してるわけじゃない。全て、嫉妬だ。
ソジュンが傍に居なきゃ気が済まない。
小学生が好きな子にちょっかいを出したり、いじめたりする、そういう感情とよく似ている。
遊びに行っていることも、ソジュンが色んな人に触れられてることも、気にしてないつもりだったのに、それを怒りに表してしまうくらい、心に余裕がなかった。
BC「 そろそろ始めるか〜 」
チャニヒョンの声が聞こえて窓から目を離そうとしたそのとき。
楽しそうに笑う2人が目に入る。
遠慮がちにその逞しい背中に乗るその姿が、目に焼き付く。
ヒョンジンと、ソジュン……?
バッ、と窓に背を向ける。その場にしゃがみ込む。
IN「 スンミニヒョン、?大丈夫? 」
イエナが心配して一緒にしゃがみ込んでくれる。
僕までおかしくなったらダメだ。
「 大丈夫!立ちくらみ、だから 」
そう言って立ち上がって、笑ってみせる。
イエナはなーんだ、って笑ってくれたけど、きっと気付いてる。
BC「 じゃあこの部分から…… 」
それから練習が終わるまで、あの映像が頭から離れなかった。
やっぱり僕なんて、見てもすらないんだろうな。
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ヒョンジンside
SJ「 背中乗る? 」
HJ「 え、え、そんな…… 」
はぁ〜と溜め息を吐くヒョン。
SJ「 いつもお前は遠慮しすぎ!もっと頼ってよ。今日はなんでも聞くって言っただろ? 」
HJ「 え、そうかな……じゃ、じゃあ、お願いします…… 」
そりゃ、好きな人の背中なんて乗れるわけない。
背中に乗らせてもらうと、その逞しさに胸が高鳴る。ああ、かっこいい。
俺より背の高いヒョンは、筋肉質で、ガタイも良くて、なのに軽快なステップでダンスもこなし、おまけに歌もものすごく上手い。ジニョン社長からも沢山褒められていて、羨ましい限りだった。
そんなヒョンをよく思わないやつもいる。
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Ako Daito(プロフ) - 続き楽しみにしています (2020年10月27日 16時) (レス) id: d708cdca8a (このIDを非表示/違反報告)
サクマ(プロフ) - パスワードを忘れてしまったので編集することができません!このアカウントで新しく作ったのでそっちに飛んでください! (2020年8月29日 23時) (レス) id: b209d87045 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サクマ | 作成日時:2020年4月19日 22時