よりるごぷ ページ19
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起き上がり、ベッドの頭側の柵を背もたれにして体育座りする。近くにあった大きい熊のぬいぐるみを抱き締める。
目を覚ましたら、なんて言うだろう。
都合よく、記憶を失いましたーなんて言う訳にはいかないだろう。
でも彼ならきっと、少し引き攣った笑い方で。
＿＿＿ ごめん。
謝るんだ。
ソジュンは気が付いたら謝罪生産機だった。僕が反抗すればするほど、活発に働く。絶対に怒ったりしないのは、彼だって分かってるからだ。遊びの虜になってメンバーを……僕を、見ないようにしてた。
でも……、いくら酷いことして来たとはいえ、あんなのは処刑だ。いつもの10倍くらい、酷いことを言った。基本僕はあっちからアクションを起こさない限り、暴言を吐くことは無い。彼は読めない。急に話しかけてきたり、急に誘ってきたり……もしかしたら僕の気を引こうとしてたのかもしれない。
そういえば、ソジュンは僕に尽くしていた気がする。
彼は極度の偏頭痛持ちで、雨の日はフラフラになるほど頭を痛める。そんなときは遊びにも行かず、ただ一日ソファやベッドでボーッとして過ごしている。しかし僕がソファに座っていたら、いつもなら避けるところをフラ〜っと横に座り、もたれかかってくる。
きっと記憶も無いほどなのだろうが、僕もその偏頭痛の苦しみは嫌でも伝わってくるから拒否しない。無言でスマホを見続ける。彼がまたフラ〜っとベッドに戻るまで、ずっと。
その場面を見たイエニが、「 そのときのスンミニヒョンは菩薩みたい。 」と笑っていたが、本当にそうだ。あの瞬間だけは、何も考えずただ雨の音を聞いているだけで良かった。
普段の愚かな自分を顧みて、どんなときもこうでいれたらどんなに幸せだろうと、何度も思った。
でもふと彼の鳴り止まない携帯を見てしまうと、心が鬼へと変わる。
＿＿＿アイツは僕なんて見ちゃいない。
＿＿＿僕への愛なんて、1mmもない。
街中で彼と誰かが歩いているのを、何度も見かけて、何度も失望した。
きっと雨の日に心を許すのは、遊びに行かないって分かってるから。
もう一生遊びに行かないでと、願ってるから。
重いですか？
ねえ、分かってよ……聞いてよ。
「 ……ｯ、そ、じゅ……ん、…… 」
スンミンは変わったってよく言うけどそれは、ソジュンの方でしょ？
ねぇ、なんで？
止まることの無い涙をぬいぐるみに落としながら、小さく、小さく、声を上げて泣いた。
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Ako Daito(プロフ) - 続き楽しみにしています (2020年10月27日 16時) (
レス) id: d708cdca8a (このIDを非表示/違反報告)
サクマ(プロフ) - パスワードを忘れてしまったので編集することができません！このアカウントで新しく作ったのでそっちに飛んでください！ (2020年8月29日 23時) (レス) id: b209d87045 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ｻｸﾏ | 作成日時：2020年4月19日 22時
