よるとぅる ページ14
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今日は散々な一日だった。
朝から嫌なものを見たし、話しかけられたし、怒られたし、何故か泣いてるソジュンを抱き締めてしまったし。
IN「 ……スンミニヒョンは、ソジュニヒョンのことをどう思ってるの? 」
そう突然聞かれて、首を振る。
「 聞かないで 」
そういうことしか出来ない。自分の中では嫌いなのは遊び屋の彼であり、ヒョンとしての彼はまだ心の片隅に残っていた。
でもあんなことを言ってしまった建前、もう一度ヒョンと呼ぶことは叶わなかった。
少し後ろに首を振ると、俯きながらフラフラとした足取りで歩くソジュンの姿が目に映る。何が深く考え事をしているようだった。
誰のこと……考えてるの?
自然の顔が引つる。きっと、遊んでる相手のことを考えているに違いない。
メンバーといるときでさえ彼は、僕らのことなんか見もしないんだ。
前を向こうとしたそのとき、ガクッと膝が曲がり、膝に手をついてやっとの思いで立っている様子のソジュンに、声を掛けようと口を開くが、再び閉じて息を飲む。
僕じゃ、無い。
僕の出番じゃ、無い。
FX「 ヒョン?大丈夫? 」
フィリックスの声が聞こえて、再び見る。
その光景は先程より酷く、しゃがみ込んでいて、息も苦しそうだった。
SJ「 はぁ……はぁ……ッ、ごめ、ん……ちょっと、先行ってて…… 」
そんなこと言って、皆が置いて行くわけが無い。案の定チャニヒョンが駆け寄り、声をかけ手を差し出したが、彼はその手を弾いた。
SJ「 お願い……後で、追いつくから…… 」
そのソジュンの姿に意を決してチャニヒョンを先頭に、皆着いて歩いていく。
しかし足を進める度に、足が鉛のように重く感じた。それは行くなと言っているようで、振り返る。
……ここでいったら、お節介かもしれない。
彼は来なくていいと、そう言ったのだから。
それに僕が行っても暴言を吐くことしか出来ないような気がして、無謀さをじわじわと感じる。
それでも。
「 ……やっぱり僕ッ……行ってくる 」
ここで死なれては、困る。
BC「 スンミン!? 」
静止するチャニヒョンの声も聞かず、振り返って一直線先へ、走る。
……何故こんなに必死なる?
相手は遊び屋で、僕が今助けたところで、その体は遊びに使われるだけなんだぞ?
なのに僕は、足を止めない。
彼が死ぬ方が、よっぽど苦しくて辛いから。
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Ako Daito(プロフ) - 続き楽しみにしています (2020年10月27日 16時) (レス) id: d708cdca8a (このIDを非表示/違反報告)
サクマ(プロフ) - パスワードを忘れてしまったので編集することができません!このアカウントで新しく作ったのでそっちに飛んでください! (2020年8月29日 23時) (レス) id: b209d87045 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サクマ | 作成日時:2020年4月19日 22時