ファーストラブ。 (ページ9)

今日:8 hit、昨日:10 hit、合計:41,638 hit

《 7 》ページ9

·
·
·

CB「え、いや、やる。俺、片付けやる！！」

え、何この人急に情でも湧いてきたんですか？

思わず机に突っ伏していた体をガバッと起き上がらせて拒否する。

「いや、いいって言ってるじゃん」

そうやって言うとあからさまに悲しそうな顔をする。

チャンビンは顔に出やすい。

この一週間でよく分かった。

「そんなに片付けしたいの？」

CB「片付けしてえっつーか、休日も一緒にいてえ。」

頭をポリポリ掻きながら、急にド天然発言をかます。

そこら辺のチャンビンのファンは確実にリアコになっただろう。

あ、リアコって言うのはリアルに恋してる♡(自分かわいい)の略ね。

こんなちんちくりんを前に、ラブフラグなんかたつわけない。

「ええ、休日くらい休ませてくれない」

CB「そんなに俺といたくないんですか？！」

まあでも

悪い気はしないんだけど。

ｶﾞﾀｯと音を立てて席を立ち上がり、返事をせずそのまま廊下に出ようとする。

チャンビンはおいっ、と私の手を掴む。

「今日の放課後アイス奢ってくれるんでしょ？」

プリンオレあげたよね？

貸しだよね？あれ。

チャンビンは少し引き攣った、でも嬉しそうな顔で笑った。

CB「はは、しゃーねぇな」

こういうとこ、“ 優しい ” ってやつなんだろうか。

男友達にしては上出来だなあ。

チャンビンを引き剥がし、廊下に出て、トイレへ向かう。

このとき、ある女に恨みを持たれていたことを私は知らなかった。

『 ……意味わかんない……絶対許さない』

パッと後ろを振り返っても、誰もいなかった。

幻聴……？

寒気がして腕を摩る。

え、今、夏だよ。

風邪でもひいたのかな。

とにかく、早くトイレに行こう。

昼休みも、もうすぐ終わろうとしていた。

·
·
·