ファーストラブ。 (ページ5)

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学校につくと、知らない生徒達に少し緊張しながら廊下を歩いていた。

結構大きめの学校だから生徒数が多くて、私の存在なんて誰も気付いていない。

上手い感じに紛れ込んでいる……と思ったら

？「 ……あんた、転校生？」

そう言われて立ち止まる。

ああ、しまった。立ち止まってしまった。

その相手は、イケメンの部類に入るのだろうか……でもまあ、綺麗な顔をしてはいる。

でもなんか、軽そう。チャラい。

「 ……そうだけど。」

？「へえ、名前なんて言うんだ？」

そう言われたところで気付く。

ものすごく私達視線が集まっていることに。

ていうか、睨まれてる？

「私、職員室に行かなきゃ行けないから。」

そう言ってその人を振り切ろうとしたら、ﾄﾞﾝ、と壁に手をつかれ、前に進めなくなる。

？「なあ、名前教えてくれたっていいじゃん」

私とそこまで身長が変わらないから、何も怖くない。

ギロッと睨みつけて

「なんで言わなきゃいけないの」

そう言って手を退かして走って職員室まで逃げる。

あ～私の高校生活終わった！！！

そう思い、泣きそうになりながら。

初対面であの態度は酷すぎる。

わかってる。頭の中では。

でも男を前にすると、ついつい喧嘩腰になってしまう。特にチャラい人には。

もし、あの人と同じクラスになったらどうしよう。

ていうか、なんで転校生って分かったんだろう。

半泣きになりながら職員室に着き、担任のジョイ先生と一緒にクラスまで向かった。

教室の前で緊張しながら立つ。

ジョイ「先生が紹介したら入ってなー」

「あ、はい」

そう言って先に教室に入っていってしまった先生の話を耳に入れながら、さっきのことを後悔する。

初日からやらかした。

ママ、絶対友達なんてできないよ……。

ジョイ「それじゃあ入ってきてくださーい！」

ﾊｯとして、教室に入って見回すと、明らかに茶髪でチャラい人が1番後ろにいて、さっきの記憶が舞い戻ってくる。

あ、本当に終わった。

動揺を隠しながら自己紹介する。

「齋藤Aです。日本から来ました。よろしくお願いします。」

ジョイ「じゃあAはチャンビンの横な」

「あっはい…… 」

男か……と思って先生が指さす方を見たら、先程のチャラい男で目を見開く。

人生最大の危機だが、怪しまれないためにおそるおそる席に近づいて行く。

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