ファーストラブ。 (ページ32)

今日:9 hit、昨日:10 hit、合計:41,639 hit

《 30 》ページ32

.

Aside

バスケ部だったから足は早い方だった。

割とそんなに走らずとも、彼は止まっていた。

なんて言えば、誤解が解ける？

「ソチャンビン！！！」

考える前に声をかけた。

肩をビクッとさせた彼は振り返った。

「 …………ぁ、」

濡れた頬を見て、確信した。

また逃げようとした彼の手を掴んで、引っ張る。

「さっきのは、違うから！！」

「別に違くても違くなくても、どっちでもいいっ」

「じゃあなんで、泣いてんの」

相手の頬を指で拭く。

その手を掴まれて、逆に引っ張られて、抱き締められた。

「っわ、」

少し仰け反ると、顔が近くて鼓動が早まる。

「 ……嫉妬した、から。Aが、好きだから。」

嘘じゃない。

これは、幻聴じゃ、ないよね。

「 …………私も、好き」

そう言うと少し見つめあってから、唇が重なった。

２回目の、キス。

「 …もっとカッコつけたかったのに」

「いや、チャンビンらしいっちゃらしい」

「なんだよそれ。てか、なんで抱き合ってたの」

「無理矢理ホールドされちゃった」

「ちょっとはかっこいいとか思っただろ」

「えー？どうだろーねー」

意地悪っぽくそう言うと、頬を引っ張られた。

「俺は世界で一番お前が可愛いと思ってる」

そう言われて、頭をポンッとされた。

久々の王子様補正に顔が赤くなってしまう。

だからこの人、アイドル麻痺してますって。

.

短くてごめんなさい！