ファーストラブ。 (ページ29)

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スマホの画面が暗くなり、机の上に置く。

『それ絶対Aのこと好きなんだよ』

チェウォンのその言葉が頭から離れなくて変にモヤモヤする。

男子から告白されたことも、ましてや付き合ったこともない。

男子にいい思い出なんてない。

でも、チャンビンは。

チャンビンは、ちょっと違う。

すぐ頭撫でるし、こんな私を可愛いって言うけど、それは決して軽い訳じゃなくて、良い奴、なんだと思う。

どうすればいいか分かんない。

「明日からどんな顔して会えばいいんだよーー！」

隣の部屋だということを忘れ、思わず叫んでしまった。

でもキスするってことはさ

好きって、ことだよね？

モヤモヤが治まらないまま、ベッドに寝転がっていたらそのまま寝てしまった。

❁

CBside

ｶﾞﾁｬﾝ

部屋のドアが閉まる。

やった。

やってしまった。

俺ってこんなに、好きだったんだ。

唇に触れて、感触を思い出す。

動揺したアイツの顔が思い浮かぶ。

でも勢いでそのまま部屋から出てきてしまった。

あぁ…告白もしてないのに馬鹿じゃん。

絶対に嫌われた。

軽い男だって思われた。

FX「 …チャンビン」

俺が玄関で立ち尽くしていたら、声をかけられハッとする。フィリックスだ。正直今、1番会いたくなかった。

「な、なに。」

FX「 Aと付き合った？」

「は、なんで… 」

FX「 Aのこと好きでしょ」

いつになく無表情で、淡々とそう言う彼に少し恐怖を感じる。

「だったら、何？」

FX「俺、待たないから」

「 …え… 」

FX「思わせぶりしとけばAは自分のことを好きでいてくれるって思ってるみたいだけど、俺は容赦しないから。A、俺のことタイプみたいだし」

ゴクリ、と唾を飲み込む。

全てを見透かされてるようで、心臓に穴が開きそうだった。

「落としに行くってわけ？」

FX「 ……お前が立ち止まってるからだろ」

そう言って奥へ消えていった。

フィリックスと連絡をとっていた彼女の顔が浮かぶ。

まるで恋する乙女のような顔。

勝てない。

俺じゃ、勝てない。

憂鬱な気分で寝室へいった。

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