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まるで王子様に会ったかのようだった。
ずっと見てられる。
その美形な目、鼻、口。
全てのパーツが完璧だ。
声も低くて、落ち着いてて、笑うとかわいい。
CB「 ずっと見てやがる。 」
「 わ!びっくりすんじゃん、 」
CB「 何、そんなにリクスのことが気に入ったわけ 」
……何、それ。
まるで、私がフィリックスのこと見てるのが気に入らないみたいじゃん。
だめなの?
なんで、だめなの?
「 ……チャンビンには関係ないじゃん、」
ボソッ、ってそう言ったら、
“ あーそうかよ ”
って言って、どっか行ってしまった。
いつも、こうなる。
チャンビンの考えてることって今ひとつ分かんないし。
でも関係ない、なんて言って、酷かったかな。
FX「 ……A?元気ない? 」
ふいにそう声をかけられて、バッと横をむくと、近くにフィリックスの顔があって、思わず目を逸らす。
何自分女になってるの!?
顔が熱い。
「 だ、大丈夫だから!気にしないで 」
FX「 そ?てか、まだ帰らなくて大丈夫なの? 」
「 ん…もう、帰ろうかな。明日もあるし 」
FX「 明日休みだよね?……遊びに行こうよ 」
そう言われて、咄嗟に行きたい、と言ってしまいそうになる。
『 片付けしてえっつーか、休日も一緒にいてえ。 』
その言葉を思い出して、首が折れそうなほどブンブン振る。
「 明日は、予定があるから…… 」
FX「 え〜?一緒に、とかは? 」
「 ……えっ、と。それは、 」
同じメンバーだしな……
一緒に片付けしてもらったら早く終わりそうだしな……
別にいっか……
そう思って“ いいよ ”と言おうとしたら、後ろから首の辺りに腕が伸びてきて、後ろに引き寄せられる。
え、?
CB「 明日は俺と予定があるからだーめ 」
「 ちょ、チャンビン?! 」
そのまま立ち上がり玄関まで手を引っ張られ、サンダルを履きながら外に連れていかれた。
「 ……2人がよかったの? 」
CB「 約束だろーが。奢ったこと忘れんな 」
ぶっきらぼうにそう言われ、頭をクシャクシャにされる。
「 わ、忘れてない! 」
CB「 明日寝坊すんなよ、そんじゃーな 」
ガチャン、
ドアが閉まって、一気に静かになる。
首の当たりに手をやると、鼓動が早くなる。
不覚にもときめいてしまった自分が情けないと思った。
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遊ちゃん(プロフ) - 最高です!!!いつか短編集でスキズに〇〇してみた的なものも見てみたいです〜!!笑これからも更新楽しみに待っています (2020年9月12日 13時) (レス) id: fe8355afed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サクマ | 作成日時:2020年3月29日 7時