ファーストラブ。 (ページ14)

今日:10 hit、昨日:10 hit、合計:41,640 hit

《 12 》ページ14

.
.
.

「き、気にしてないっ」

CB「もう、拗ねんなよ～? 」

「はい??元々拗ねてないから」

頬をグイッと引っ張られる。

CB「ああ言えばこう言う！可愛くねぇの」

「可愛くなくて結構!!別に、可愛いと思われようとしてないから」

なんで可愛くない言葉しか言えないんだろう。

自分が嫌になる。

揉み合っていたら、下駄箱を背に壁ドンするような形になってしまった。

「 ……ｯ！」

CB「 ……黙ってりゃ、可愛いのに。」

頬を摘んだままボソッと言われて、近付いた顔が離れていく。

「その言葉、そっくりそのまま返すから」

こんなときでも動じない私に、恋愛なんて出来るのだろうか。

チャンビンが私から離れて、何事も無かったかのように靴を履く。

まるで小さい頃から一緒にいた幼馴染みのように言い合えるのはなんでだろう。

安心するのは、なんで？

CB「おい！行かないのか？」

そう、手招きされる。

私がボーッとしている間にとっくに靴を履き終わった彼は玄関のドアに寄りかかっていた。

「行くから。待って」

急いで靴箱から白いスニーカーを出し、履く。

CB「はーやーくー」

「はいっ。できました。行くぞ～！」

ドアにいたチャンビンの横をすり抜けて先に外へ出る。

おい待て!!と呼ぶ声も聞く耳を持たず、そのまま校門の前まで走りきってしまった。

これでもバスケ部に所属していた為、足は早い方だ。

「早くアイス食べたい!! 」

振り返ってそう言うと、息切れしたチャンビンが馬鹿か！と罵りながら走ってくる。

CB「アイスは逃げねえよおぉ！！」

「好きな味なくなってたらあんたのせいね」

CB「そしたらしゃーなし。2個買ってやる」

「ええ、生まれて初めて好きな味なかったらいいのにって思っちゃったじゃん」

CB「俺が破産するわ」

「アイスごときで何言ってんだか」

そう笑ったが、貧乏だったらどうしよう、と不安げな顔を見せてしまった。

CB「アイドルは金持ちだからそんな顔すんな」

そうやって頭を撫でられた。

「頭撫でるの癖になってるでしょ」

CB「撫でやすい位置にあるから悪い」

撫でている手をパシッと跳ね除けて逃げるようにまた走り出した。

CB「だから走るなって～！！」

.
.
.