今日:7 hit、昨日:13 hit、合計:82,758 hit
小|中|大
8 ページ9
正直涼ちゃんは女を見る目がない。
大学に入る前までは涼ちゃんの周りには絶えずいろんな女の人がいた。
その人達は決まって涼ちゃんより年上の美人で、付き合っても二股されたとかの最低な理由で別れていた。
涼ちゃんはチャラく見えるけど付き合った人に誠実で、表に出さないけれど傷付いていた。
涼ちゃんをずっと好きで見ていたから、私には分かる。
でも相手を思ってスッと身を引いて追いかけないから、事情を知らない人には、執着がなくてやっぱり軽いんだ、なんて思われていたふしがあった。
私はそういう涼ちゃんが嫌いじゃない。誠実で不器用なところが嫌いじゃない。
むしろ好きだ。
でも傷付いてほしくない。
好きな人が傷付くのは辛い。
私なら絶対そんなことしないのにって何度も思ってた。
多分、この4ヶ月の間にも何かあったんだろう。
涼ちゃんは女の子に放っておかれることはない。そういう人だから。
そこまで考えたところで、何かが震えた音がした。
見ると、畳の上に無造作に置かれたスマホが通知を告げている。
涼ちゃんのだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます
248人がお気に入り
248人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:冷麦 | 作成日時:2019年7月5日 13時