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『…瑞稀くん、好きだよ』
告白以降はじめて、もう一度気持ちを伝える。
私は瑞稀くんが好きだ。
思ってた人とは違ったけれど。
面倒くさいけど、ずるいけど惹かれる。
自由でかっこよくてわがままなところに。
それでいて不器用なところに。
そうしてもう1回。
瑞稀くんの唇が、今度はわたしのそれに触れた。
さっきよりはゆっくりの、でも優しいキス。
街路樹の緑が眩しい、太陽が肩に食い込むような暑さの雑踏のまんなかで。
「…ん」
そう言って、瑞稀くんは顎をしゃくって見せてから右手を出した。
照れ臭そうにふくれて、私の左手を握る。
そうして、さっきよりゆっくり歩き出した。
夏休みがもうすぐ始まる。
私たちはまだお互いをよく知らない。
ひとつ分かった事は、瑞稀くんはクリームソーダを飲む時にソフトクリームとメロンソーダを最初に混ぜて甘くするって事。
ちょっとわがままな瑞稀くんとの夏休みは、きっと退屈しない楽しい夏休みになる気がする。
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作者名：冷麦
| 作成日時：2019年7月5日 13時
