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喜多川学園の事務のスーツも、お正月の白袴も、カフェのシンプルなモノトーンのシャツとエプロンも似合っていたけれど、高橋さんはこういうカジュアルでカラフルな制服も似合うなあ。
それにやっぱり大前提で顔が強い。キャップの派手なピンク色に全く顔が負けていない…かっこいいひとは何だって着こなすんだなぁ。
そして理解した。
この店内にひしめく大勢の客が女子ばかりな理由を。
「バイトの噂本当だったんだ…今日もめちゃくちゃかっこいい！」
「究極バチイケ男子と美味しくて可愛いサーティーワンアイスの取り合わせって完全に世界の奇跡じゃない？もう世界に1万いいね連打してもし足りない」
「バチバチにかっこいいんだけどふとした表情がマンガみたいに愛くるしくて、たくさんの魅力を持ち合わせてるよね…もはやスーパーアイドルか…最の高…」
「あのチャハって特徴的な笑い方が好きすぎるからアイス50個連課金したい！だからまた笑い掛けてほしい！」
「もうCM出てほしい！そしたらCM見まくって公式動画回しまくって毎日通いまくるよね！」
「「「「それ〜!!!!」」」」
これは完全にデジャヴ。
大勢の女の子たちが高橋さんに見とれて店に吸い込まれて、アイスを食べながら目をハートにしてとろんとなっている。まるでアイスみたいにでろでろにとけちゃってる。
さすが「リアコのピンク」にして「伝説の白」…だったかな？
とにかく既視感がありまくりだ。高橋さんは、存在が強い。
…既視感と言えば…
『高橋さん、今日は生徒会のみんなは…まさか…』
「あ、あっち！」
私の言葉を受けたニコニコの高橋さんが指さす方向に目をやれば、周囲の女子の熱視線を集める3人が端のほうでアイスを食べていた。
それは、
ベリーベリーストロべリーのカップをぎゅっと持ち、ピンクのスプーンをもてあそびながらも恥ずかしそうに目を伏せて子ネコのようにふるふる震えている作間くんと、
嬉しさ1割と動揺9割の表情を隠しきれず目をきょろきょろさせているのに、謎の口笛をぴゅーっと吹いて「何でもないよ」って平然としたそぶりを演出している抹茶アイスの猪狩くん、
シンプルなバニラを食べながら全く動じず女子に華麗なお手振りをして、キャーって歓声を受けて「ありがと、みんな可愛い」ってへらっと笑っている涼くんだ。
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作者名：冷麦
| 作成日時：2020年6月5日 20時
