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その官能的な香り、その深い男らしい声。
私の髪の毛先をもてあそぶゼロ距離のスキンシップ。
…このチャラさは、まごうことなく。
『涼くん！髪！なにして！』
「あったりー。やっぱせいじゅん」
びくっとからだをかたくしてバッと毛先を抑えると、真後ろに案の定涼くんが立っていた。
へらっとした笑顔とともに。
クリスマス以来、1カ月半ぶりに見る涼くんは端的に言うと相変わらずかっこいい。
ううん、相変わらず、じゃない。
前よりやせたのか顔がちいさくなった。
その分存在感を増した潤んだ二重の目は、どうかすると女の子みたいな可愛さがある。
けれど綺麗に口を横に開いて笑うだけで、男のひとの匂やかな色気が花が咲くように送られてくる。
すると涼くんの周りに以前よりもずっと濃密な甘さが広がる。
抗いがたい艶が香る。
…つまり、涼くんは前会った時よりも格段にかっこよく、格段に色っぽい男のひとになっていた。
前会った時もそう思ったな…涼くんはいつも最高到達点を更新してくる。…困る！
「ね、今日髪結んでんの…かわい」
『や、作業するのに髪邪魔で』
「…知ってる？男ってこういう揺れるもの追いかけたくなっちゃうって。
…ほんと、さらさらで綺麗」
お願いだから。
至近距離で目を伏せてポニーテールの毛先をもてあそばないで！触らないで！
そう思うけど、やっぱりからだが動かない。
「中から見てた。さっきから優斗ばっかずるい…
俺とも遊んで？」
無理。その黒目がちな瞳から繰り出されるわんこみたいな上目遣いは無理。ねえ、緩急が無理。格段にチャラい、も追加する。
『遊んでなんか！それより涼くん今日は買い物⁈』
話を逸らしたくて、この空気を変えたくてつい大きな声で話を振るけれど。
「ね、困ってんの？…ほんとかわい」
…うん、認めます。困ってます。
私はもう限界だ。
火が噴くように顔もからだも熱い。
こんなにかっこよくて色っぽい男の子に口説かれるように至近距離にいられたら、無理。
私は石化するしかない。
でも。
「はしもっちゃん、Aちゃん困ってるってば！昼の健全なカフェでチャラい空気出さないで！営業妨害！」
「ちぇ、はーい」
バイト中の高橋さんの言葉で、涼くんは手を離してくれた。へらっとしながら。
…高橋さんありがとう。本当にありがとう。
高橋さんはそのまま店内に目を
「…それに。あのふたり…多分困ってる」
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冷麦(プロフ) - みちゃこさん» みちゃこさん、コメントありがとうございます。好きと言ってくださって嬉しいです！感謝です！ (2020年3月16日 15時) (
レス) id: 5b6161b271 (このIDを非表示/違反報告)
みちゃこ(プロフ) - このお話大好きです。これからも更新頑張って下さい！ (2020年3月16日 0時) (レス) id: b50848dd48 (このIDを非表示/違反報告)
冷麦(プロフ) - おかゆちゃんさん» おかゆちゃんさん、コメントありがとうございます！きゅんきゅんしてくださって、素敵な感想を寄せてくださって、本当に嬉しいです…！励みになります！ (2020年2月23日 0時) (レス) id: 5b6161b271 (このIDを非表示/違反報告)
おかゆちゃん(プロフ) - こんなにきゅんきゅんするお話に出会えて感動してます（ ; ; ）登場人物全員かわいすぎる…！本当に評価が一度しか出来ないのが悔やまれます(>_<)これからも素敵なお話楽しみにしてます！ (2020年2月23日 0時) (レス) id: a7174925fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冷麦
| 作成日時：2020年2月8日 17時
