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「…ずっと、言いたかった…」
七瀬くんの気持ちが流れてくる。
熱い一途な気持ち。
掴まれた指先から、その薄いくちびるを寄せた
「好き、です」
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耳から離れて、私と至近距離で相対する七瀬くん。
まだ壁に私を押したまま、抑えつけて離してくれない。
制服の白いシャツと、とろみのあるブラウスが擦れる。
力が強い。
年下だけれど、生徒だけれど、男の子。
…男、なんだ。
頭上20cmの長身の彼の顔。
そっと七瀬くんを見る。
七瀬くんはずっと私を見ている。
その熱い目が、綺麗な目が揺らいでいる。
いけない。
ぱっと目を逸らす。
「Aさん…こっち見て…？」
『や、七瀬くん…』
どうしよう。
いま目を合わせてはいけない。
七瀬くんの気持ちがもっと私に流れてきてしまう。
それはいけない。
…揺らいでしまうかもしれない。私の気持ちも。
ううん。もしかしたら、もう。
緊張してつい目が泳いでしまう。
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作者名：冷麦
| 作成日時：2019年9月20日 18時
