4 ページ4
.
17才。
顔立ちは大人っぽく見えるし背の高い七瀬くんだけれど、白いシャツにチェックの制服の彼はどう見たって生徒でしかない。
年なんて関係ないなんて言いつつも、誕生日を迎えたって話す彼にはどこか得意な響きがあって。
口の端が上がって、ニコニコするのを抑えきれていない。
…そういうところが年下だって言うのに。
冷静な作間くんが初めて見せるその笑顔も。
…どちらも可愛いけれど。
『誕生日おめでとう。でも、年下なんて興味ないの』
「付き合ったら興味が出ます、出るように仕向けます。力も元気もあるし素直です、いいことしかないです。あとさっきも言いましたけどそもそも年齢の差なんて関係ないです」
『七瀬くんのそういう気持ち、私も分かるよ。年上のひとに惹かれたこと、私もあるから。
でもそれってちょっとした流行りの風邪みたいなもので、おとなになる為の通過儀礼みたいなもので、治れば何ともないんだよ』
「先生が年上だから好きになったんじゃないんです。それは後からついてきただけなんです。
風邪だって言うなら、俺は一生風邪引いてます。
だから年の差なんて関係ありません」
『高校生の七瀬くんとなんて、私、犯罪ものだよ』
「結婚前提なら問題ないです。そういう心構えももちろんあります。
…いい加減年齢の差なんてそもそも関係ないって理解して下さい」
もう。
なんなの。
まるで私が理解力ないみたいに言ってくる七瀬くん。その口調は変わらず冷静。
なにを言ってもこたえない。のれんに腕押し。
「そっか…先生って呼ぶからいけないんですね。
もう先生じゃないから、Aさん、って呼びますね」
ものすごく真面目な顔でそう言ってひとりでウンウンうなずいている。
…それも可愛いけれど。
本当に、なんなの。
この問答を続けるなかで気づいたことがある。
だんだん私の先生としての理性がなくなってムキになってきている。
いけない。
でも。最後の方は子供をあやすみたいな優しい口調になった七瀬くんは、あの三白眼に、困ったひとだな、みたいな
…屈辱。翻弄されている、完全に。
とにかく七瀬くんを言い負かさないと、なんて私は混乱していた。
『そもそも、私七瀬くんが嫌いなの!』
ハッとする。
混乱してムキになってつい口から出てしまったその言葉に。
.
168人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「HiHiJets」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:冷麦 | 作成日時:2019年9月20日 18時