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先週に比べて蕾がいくつも膨らんでいる。
昇り始めた陽を受けて、昨夜降ったらしい雨の雫がきらきらと葉を飾る。
植え込みの紫陽花を横目に出勤して驚いた。
裏口のドアを開けバックヤードに入ろうとすると、髪を整える那須さんがいる。
今までモーニングの時間帯は、北斗さんの他はオープンは私、途中から那須さんが出勤というパターンしかなかった。
スタートの時間が被るなんて初めて。
『、おはようございます！』
ドアを開けたまま慌てて挨拶する。
ロッカーに向かって制服のネクタイを結びながら、ちらっとこちらに会釈だけする、私だけにするいつものそっけない挨拶。
のはずが。
初めて那須さんとまともに視線が合ったかもしれない。
那須さんが振り向いて私を見た。見たと認識出来た。
ただそれは一瞬で、すぐにフイと逸らされた。
「Aおはよ、…あれ、今日雰囲気違う」
『ねえ北斗さん！シャツ全開だから！』
白シャツのボタンを留めないまま2階から降りてきた北斗さん。
出会い頭の指摘。私そんなにあからさまに違うかな。
「うん、A可愛い」
私の言葉を無視した北斗さんは、笑顔で屈んで私の頭をポンポンする。完全に子供扱いか。目の前に北斗さんの肌があってどこを見ていいか困る。
それだけではなく、
「いつもよりかこっちの方がいいよ。ね、那須？」
と更に北斗さんは爆弾を落とした。
やめて、那須さんにキラーパスしないで！
次の言葉を一瞬身構えて待つと、案の定那須さんは
「……そうですね」
言わされてる感満載の言葉を残してフロアに行ってしまった。
オープンして数組のお客様が入った店内。
黒いパンツで驚く程脚の長い作間さんが来店した。
私を見て会釈をし、その長い脚でスタスタと移動しカウンターの奥端に座る作間さん。
『いらっしゃいませ。あの、先日はありがとうございました』
「俺も楽しかったです」
図書館で作間さんが楽しかったことって何だろうか。具体的に私には思い当たらない。
一方私はものすごくドキドキしたなぁ。作間さんは意図していないだろうけれど。
「…あの。俺珈琲よく知らなくて。先週飲んだの美味しかったから、それで他のも試してみたくなって」
作間さんは少し恥ずかしそうにそう言った。
その言葉に喜びで体が満たされる気がした。
北斗さんのブレンドを気に入ってくれた！それでまた来てくれたんだ。嬉しい…今すぐ北斗さんに伝えたい！
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冷麦(プロフ) - こうちゃさん» アッアーーーーーありがとうございます、嬉しい言葉ばかりで泣いています。 私もにやけて書いていた笑ので、同じ気持ちになってくださったこと、嬉しいです。車内ではご迷惑をお掛けして申し訳ありません笑引き続き読んでくださると嬉しいです！ (2019年8月3日 11時) (
レス) id: 5b6161b271 (このIDを非表示/違反報告)
こうちゃ(プロフ) - わーーーーー！作ちゃんが可愛すぎて！がりさんと同じところで可愛いなおい、ってにやけてしまいました！しかも電車です！不審者不可避！でも最高です！ありがとうございます！！描写や冷麦さんが書く言葉が美しくてとっても好きです。これからも更新楽しみにしています (2019年8月3日 10時) (レス) id: 066b7f100e (このIDを非表示/違反報告)
冷麦(プロフ) - 天然ぐりーんてぃーさん» 語彙力欠如嬉しいです！ぬぉわぁっに愛を感じます笑引き続き読んでくださっていて嬉しいです…ありがとうございます！北斗さんも引き続き登場しますのでよろしくお願いします！ (2019年7月24日 12時) (レス) id: 5b6161b271 (このIDを非表示/違反報告)
天然ぐりーんてぃー(プロフ) - ぬぉわぁっ！(作ちゃんが可愛すぎて語彙力欠如すみません)じれったいのに何処かホッコリとしていて温かいこのお話が大好きです！ほっくん、さりげなくキューピッドになりそうな予感(笑) (2019年7月23日 23時) (レス) id: 735b9b69af (このIDを非表示/違反報告)
冷麦(プロフ) - 天然ぐりーんてぃーさん» 素敵な感想をありがとうございます！作間くんのそういうところが書きたかったのでとても嬉しいです！モチベーションが上がりました、引き続き読んでくださると嬉しいです。 (2019年7月9日 17時) (レス) id: 5b6161b271 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冷麦
| 作成日時：2019年6月20日 11時
