World of dark Ⅳ (ページ9)

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「なんで、なんでお前がいるんだ…！消えたはずだろ！？」

次に目があった人のところに歩いていくと、そう叫ばれた。
…消えた？
あれ、俺たち消えてた？
……ああ、お仕事してなかったからか。

「ちょっとお休みしてたんだけどね。おかげさまで元気に再開であります！」

なんで再開したかっていうとめめの手術費が億いっちゃったからなんだけど。
まあ闇医者で腕がいいならこんなもんって阿部ちゃんが言ってたからいいんだけど、さすがに予定外だったから、今までよりペースは落してのほほん気ままに殺し屋やるんだって。

俺の返答にザ・絶望！みたいないい顔で返してくれる男の人。
ノリがいい。
好きだよ、そういうの。

なのでサービスしてこの俺の拳で行きたいと思いまぁす！
まずは走りながら右腕を振りかぶって、ジャンプと同時に振り抜く。
そのまま吹っ飛ぶよね。
んふ、正義のヒーローみたいだね、楽しい！
でも、ヒーロータイムはここまで。

馬乗りになってバカスカ殴る。
…ほらね？
悪役っぽいでしょ？
でも、悪い奴を成敗するさらなる悪って響きも良い良い…！
何発か殴ればボキッと嫌な音がして、男は恐る恐る自分の頬を抑えた。
あー…折れたよねぇ、痛いよねぇ。
思わず笑うとそれを見た男はこっちまで苦しくなるような恐怖に引き攣った顔で震える。

あは、いい顔。
もっかい見たくて、次は目の横あたりを殴った。
流石に何も折れないけど、腫れて真っ赤に内出血した目は見てて気持ちいい。
1度立ち上がって見下ろすと、何ひとつ傷はついていない体にパンパンに腫れた顔のアンバランスさが醜くて、いつまでも見てられる。

「ねぇねぇ、今すっごいブサイクだよ？？」
「もう…殺へよ…」
「え？聞こえなぁい」

もう1度頬を殴った。
けほっと血を吐いて、それが俺の顔にかかる。
…気持ち悪いなぁ。

「何してんの？」
「ご、ごめんなはい、ゆるひて、くらはい…」

何言ってんだろうね、なんだかムカつくから殴っとこうかな。
更に顔を殴れば吐いたわけでもないのに血が俺の顔にびしゃっと飛び散った。
ああ、汚いなぁ。
汚い汚い。
でもだからこそ楽しい。

もっと、もっと。
いっぱい殺すよ。
苦しめるよ。
すぐに逝けると思わないことだね。