World of dark Ⅳ (ページ4)

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kj side

なあ、知ってる？
楽しい思い出って、嫌な思い出で簡単に上書きされんねんで。
逆に、嫌なことって頑張っても全然消えへん。

俺も、めめも、みんなも。
辛いことを乗り越えて、ようやく、落ち着いてきたやん。
…なんで？
今はちゃうやろ。
やっと、心の奥のほうにやれた嫌な気持ちがきれいサッパリ消える前に、心の最前線に引き出された感じ。

めめは恐怖で歪んでた。
それから痛みに更に顔を歪めようとして、それもできずに崩れ落ちた。

俺は、横におったのに何もできひんかった。
さっき、ラウールが俺らみんなに謝ってきた。

ru 「ごめん。あの動きが何を表すのか分かったのに、何もできなかった」

…やって。
俺のほうがごめん、やわ。
でも、それを謝れへんかった。
どうしても、慰められたくなかってん。

ごめん。
ごめんな、めめ。
俺のせいや。
俺は動けたはずやのに。
大事なときに何もできひんくて、いつもめめに助けてもらって。

ああ、どんどん自分が嫌になるわ。
何も返せてへん。
なんかしたいって、なんかせなあかんって、思ってるやったら意味ないねん。
言葉にして、行動にして、ようやく役に立てるもんやねん。
みんなやって、自分の中ではそう思ってるやろ？
俺だって、もちろん、そう思ってるに決まってるやろ？

でも俺は、俺のできることが分からへんから、何もできひん。
俺ってこんな弱いんや。
めめってあんなに強かったんや。
次は俺が強くならなあかんな…？
めめを守って、守って、守り抜いて。
そうしたら俺はめめのためになんかできたって、言えるんかなぁ…？