World of dark Ⅳ (ページ6)

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fk side

めめは起きない。
阿部ちゃん曰く、精神的苦痛に身体的苦痛が重なったからかも、って。
ラウールが言うには今まで殺した誰かの反動らしいから、目黒の場合は、歴も長いからいろいろな経験があると思うんだよね。
だからもしかするとラウールよりもひどい傷かもしれない。

めめの白いTシャツはまっかっかで、ロゴの黒い部分は赤が混じって気味の悪いものになっていた。
急いで俺の着てた上着を脱いで傷口を抑えて車に乗せたけど、俺の上着が赤く染まるどころか、その上着からもボタボタと血が滴っていた。
よく見れば足や腕にも小さいとは言えない傷があって、虫の息ってこのことだなって感じ。
もはや生きてることが奇跡だった。

俺らが向かったのはいつもの場所じゃなくて、評判のいい闇医者のところ。
表に出られないことをこんなに悔やんだことはないよね。
運ばれて何時間後だろう。
結構な時間の後、今までとは違った正しい処置がされて、止血もされて、きれいに包帯の巻かれた目黒が眠るベッドに案内された。
康二がその手を取ると、指先が真っ白で、康二も「つめた、」と呟いていた。
顔も真っ白、表情は苦痛を表していて、眉間にも肩にも力が入った状態だった。

怖かったよな、痛かったよな。
頼りない最年長でごめんな。
何もできなくてごめんな。

ただ、もう、お前に苦痛を与えるものは近寄らせないって、誓うから。
俺は横の照に向かって視線を送った。

iw「ふっか、」

そこから先は声にしなかった。
分かってるよ。
お前も俺と同じだよな。

康二の横に立って目黒の髪を撫でながら、微笑む。
…ほんとは腸が煮えくり返るって表現そのものみたいな気持ちなんだけど、そんなのみんなに見せらんないし。
安心させられるように、優しく、優しく、微笑んだ。