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俺に向かってきたナイフはカランカラン、と音を立てて落ちた。
涼太のナイフが2本あって、涼太のおかげだ、って嬉しくなった。
dt「翔太、怪我は？」
「ない。ありがと」
そう言って涼太に笑いかけたら、涼太も笑ってくれて。
でもそのまま涼太は倒れた。
背中にナイフが刺さってて、そこから血がどくどくと流れてた。
すぐ、俺に注意を向けちゃったからだって分かった。
俺はよく分かんないけど、正確な場所にそれを出すのって、難しいのかな、なんて。
だって、タイミングも、場所も、指定して、なんて、さあ。
両方合わせるのは難しそうだよな。
なのに、俺の方、優先しちゃうんだ。
________俺のせい？
俺のせいだよな。
なのに俺は涼太に何もできてないよな。
……きず、深いなぁ。
そう思ったら突然怖くなって、さぁ、と血の気が引いた。
「…りょ、た…？」
答えない。
頭がぐわぐわしてきて、何も考えられなくなった。
そこからは、よく覚えてない。
ただ、右肩の熱さだけを感じた。
「あ…え、…？…涼太。涼太？ねえ、涼太涼太涼太涼太涼太涼太涼太涼太涼太涼太涼太。返事して？ねえ涼太。お願いだからさあ。……涼太？なんで？なんで？ねっ…おねがい…」
いっぱい涼太を呼んで、願ってた。
死んじゃわないで。
ずっと一緒にいてよ。
俺を、独りにしないで？
そっから、よく覚えてない。
俺の意識は涼太の手の感触が伝わるまでぼーっとしたままだった。
頭に乗った手はいつもより冷たくて、でもちゃんと生きてて。
「りょぉた…？」
dt「ん、りょおたです。ちゃんと生きてるから、安心して？」
その笑顔にほっとして、生きてた、って。
泣いちゃうくらい嬉しかった。
でもやっぱり、真っ赤に染まる包帯を見れば見るほど怒りがふつふつと湧いてくる。
俺が、殺す。
「力」じゃなくて、俺が。
視線で涼太に言うと、ふっと微笑んで俺にライフルを創り出してくれる。
いつもとおんなじ、サイレンサーつきの、俺のためのライフル。
入口の方を見ると、締め上げられた男が顔を歪めてる。
スコープを覗くとすっと色んな感情が消えて、男を拘束する植物はしゅるしゅると戻っていく。
そのまま地面にへたり込む男の胸に、パシュ、と、いつもどおり、撃ち込んだ。
男はゆっくり首を下に向けて、自らの胸元を見る。
撃たれたことに気づいたのかな、そのまま口をパクパクして、横に倒れた。
終わった。
涼太と目が合う。
また一粒、涙がぽろりと流れた。
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かれん(プロフ) - るむぽさん» わー!?誤字報告感謝です!!すっごく助かります！訂正させていただきました！ (2020年8月26日 21時) (
レス) id: f582612e68 (このIDを非表示/違反報告)
るむぽ(プロフ) - 10ページ？の阿部ちゃんの漢字が「安倍」になってますよ^^ (2020年8月26日 20時) (レス) id: f787327a83 (このIDを非表示/違反報告)
かれん(プロフ) - みーちゃんさん» ありがとうございます！これからもお付き合いいただけると嬉しいです！ (2020年8月26日 17時) (レス) id: f582612e68 (このIDを非表示/違反報告)
みーちゃん - すごく面白いです！更新頑張ってください！応援してます (2020年8月26日 15時) (レス) id: 721259c029 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かれん | 作成日時：2020年8月22日 9時
