蒼と紅の場合。 ページ18
no side
宮舘はすぐに男に近づき、渡辺は少し離れたところから男を狙う。
男は宮舘が近寄り切る前に数本ナイフを投げる。
曲がったりと変な軌道でこそないが、それを避ける動作を取らせることで宮舘が近寄るのを防ぐには十分だった。
しかし宮舘は冷静で、手にナイフとは言えない、少し長い刃物を取り出す。
殺しのときに使ったことのない長さではあるが、それを器用に操っている。
ナイフ使いである敵からは少しでも離れていたほうが避けやすいのも確かだった。
「あーあ、むっかつく…」
dt「………」
宮舘は静かに微笑んだまま、ただ刃を振る。
ナイフが飛んでくるたびに大きく距離をとって、そのナイフを確実に避けることだけに集中する。
それはいつもどおり、『静かなる殺人者』らしい、確実に殺すためのやりかただった。
渡辺も両手の拳銃を男に向け、宮舘には当たらずとも男には当たるように向けている。
もちろんこれにもサイレンサーをつけていて、宮舘と対峙する男は反応が遅れることもあり、確実に傷を増やしていた。
その技術は確かで、右左同時に、右を撃ったあとワンテンポ遅らせて左を撃つ、などを器用にこなしていて、それも男を苛立たせ、至るところを撃ち抜いた。
でも、だからって男が何もできないわけではなくて。
「…なんかさぁ、むかつく」
そう言って男はナイフを投げ、それはぐるぐると宮舘と渡辺の周りを動き、前から後ろから彼らを狙う。
彼らだってすべてを回避することはできず、急所を避けてはいるものの宮舘は左腕と、各所擦り傷、渡辺は脇腹が薄くではあるが削がれていた。
2人は更に後ろへ下がり、宮舘は自身の衣服を割いて左腕を縛り止血し、渡辺は布を当てた。
それもじわじわと赤く染まるが、何もしないよりはマシであろう。
渡辺は顔を歪めながらも銃を撃ち、宮舘は右手にナイフを構えて前へと低い姿勢で突っ込む。
渡辺の腕は落ちておらず、お返しとでも言うようににやにやと2人を見ていた男の左腕を撃ち抜き、宮舘は横腹を軽く裂く。
男は一瞬顔を歪めたが、痛みなどの不調では全く精度の落ちることのない男のナイフは更に2人を苦しめた。
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かれん(プロフ) - るむぽさん» わー!?誤字報告感謝です!!すっごく助かります！訂正させていただきました！ (2020年8月26日 21時) (
レス) id: f582612e68 (このIDを非表示/違反報告)
るむぽ(プロフ) - 10ページ？の阿部ちゃんの漢字が「安倍」になってますよ^^ (2020年8月26日 20時) (レス) id: f787327a83 (このIDを非表示/違反報告)
かれん(プロフ) - みーちゃんさん» ありがとうございます！これからもお付き合いいただけると嬉しいです！ (2020年8月26日 17時) (レス) id: f582612e68 (このIDを非表示/違反報告)
みーちゃん - すごく面白いです！更新頑張ってください！応援してます (2020年8月26日 15時) (レス) id: 721259c029 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かれん | 作成日時：2020年8月22日 9時
