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mg side
2回も康二を撃ったこの男に、もはや恨み以外のなんの感情も持っていない。
ただ1つ言えるのは、こいつは確実に殺していい…殺さなきゃいけない人間で、俺が殺らなきゃってこと。
そしたらあの男の話す言葉全てがより汚いものに思えて、無生に黙らせたくなった。
何でか知らないけどあ、行けるって突然思えて、そうしたら今までにないくらいに背中が熱くなった。
でも不思議と熱さが苦ではなくって、それすらもこいつを苦しめるためだと思えば心地よかった。
顔を踏みつけたときの顔は特に滑稽で、はじめの余裕なんてなくなっていて、こんな奴に康二が撃たれたことがより許し難く感じた。
今まで佐久間くんが標的を殴っているのを見ても、非効率的だな、とか、手が痛くなりそう、とか、そんなことしか感じなかったのに、殴りたくて、殴りたくて、仕方なくなって。
男の顔が腫れていくのを見ても気持ちいいとは思わなかったし、手は思っていたとおり痛くなったけど、それでも何度も殴った。
憎くて仕方なくて、早く痛がる顔が見たくて殴った。
汚い声は聞こえなくて、ただガツ、ガツと俺の拳が男の骨に強くあたる音が響いた。
ふと、ナイフも使おうという気になって、掌に、腹に、痛いと思えるように、刺した。
康二が苦しんだ分以上に苦しめないといけないから、死なないようにしながら、何度も刺した。
血が流れるたびに、刃が体に触れるたびに醜く恐怖を露わにする顔が酷く不快で、なのに何度も見たくなった。
失神しそうになるタイミングで掌に銃弾を撃ち込むと、声にならない叫びを上げて目を見開く。
______醜い。
康二の姿が脳裏をよぎる。
いつもの姿、前髪の間から覗く黒い角に少し伸びた牙鬼の姿、美しい銀の毛並みで気高く立ち、まるで風のように、誰よりも速く、その動きは誰にも追えず、掴めない狼の姿。
全部全部、綺麗だった。
そんなやつが、康二に、傷をつけるなんて。
簡単には死なせないよって、目で言いながら、何度も撃った。
体に切りつけた傷とか刺し傷とは別の、穴が増えていく。
でもさすがに人の命には限界があるから。
男の反応は小さくなって、まぶたがぴくぴくしだした。
じゃあ、どうせなら。
喉の奥に銃を突っ込んで、引き金に手をかける。
その時の顔は今まで以上にやつれているのに恐怖が見えて、最後まで醜く、汚かった。
ばん、と小さく音がして、男の首とも頭とも言えない後ろ側に穴が空いて、血が俺の顔に飛び散った。
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かれん(プロフ) - るむぽさん» わー!?誤字報告感謝です!!すっごく助かります！訂正させていただきました！ (2020年8月26日 21時) (
レス) id: f582612e68 (このIDを非表示/違反報告)
るむぽ(プロフ) - 10ページ？の阿部ちゃんの漢字が「安倍」になってますよ^^ (2020年8月26日 20時) (レス) id: f787327a83 (このIDを非表示/違反報告)
かれん(プロフ) - みーちゃんさん» ありがとうございます！これからもお付き合いいただけると嬉しいです！ (2020年8月26日 17時) (レス) id: f582612e68 (このIDを非表示/違反報告)
みーちゃん - すごく面白いです！更新頑張ってください！応援してます (2020年8月26日 15時) (レス) id: 721259c029 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かれん | 作成日時：2020年8月22日 9時
