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向井はすぐにラウールの応急処置を受ける。
「…目が変わりましたね。まさか、今まで本気を出していなかったとかでしょうか？そうだとしたらそれで仲間を1人失うなんてどんなに滑稽な話でしょうね？」
男は目黒の冷静さを更になくそうと煽るが、目黒の目は向井を見つめたまま離れない。
mg「…黙れ」
「っ、…は、効きませんよ」
mg「黙れ」
思った反応が帰ってこず、少し調子が狂うとでも言いたげな男の声に、今度は男の目を見て目黒が命じる。
黒いパーカーの下からも薄く光が漏れ出していた。
「…っ、……っ、」
声が出なくなり、今度は焦りの表情で目黒を見つめる。
その顔からは、なんの感情も見受けられない。
mg「動くな。地に落ちろ。地面をなめろ。這いつくばえ」
「っ、〜〜っ、！」
羽がピタリと止まり、羽だけでなく体も動かない。
受け身も取れずに地面に叩きつけられて、何箇所か骨が折れるのを感じる。
mg「………」
目黒は何も言わずに男を見下げた。
地面に顔をつけ目線だけでこっちを見る男は威厳も怒りもなくからただ驚き、恐れていた。
___なんて、滑稽。
それを笑うこともせず、ただ冷たい目で見続ける。
それから目黒は男を軽く踏みつけた。
きっと声が出ればより無様な様を晒していただろうが、幸か不幸かその声は目黒によって出せなくさせられていた。
そのうち目黒は男に覆いかぶさって、右腕を振り上げた。
その時の目黒の顔を見て、男は気づく。
ああ、憎悪だ。
目黒の顔は憎悪で黒く染まっていた。
それに気づいた瞬間、右頬に激しい痛みを感じる。
続いて、左。
頬だけでなく目の横、頭、鼻。
顔は腫れ上がり、視界も狭くなっていた。
目黒はナイフを取り出して掌に刺し、抜いて、もう片方にも刺す。
痛みで何度も顔を歪める男を同じように何度も冷たく見る目黒は更にナイフを振りかざした。
腹を薄く刃で撫でてツー、と流れる血に男は恐怖を感じ、頬も撫でられ死を感じる。
太腿に突き刺す感触を覚え、次には脇腹、二の腕、それから右の胸。
心臓に近いところを刺され、血がぶわりと溢れる。
目黒はさらに銃を取り出して、すでに傷がついた掌を正確に撃ち、より大きな穴を空ける。
飛ばしかけた意識はその別の種類の痛みによって引き戻され、終わらない痛みに耐え続けた。
何故か死ねずに、目黒が繊細な調節をしているんだと気づき、また別の意味で目黒を恐れた。
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かれん(プロフ) - るむぽさん» わー!?誤字報告感謝です!!すっごく助かります！訂正させていただきました！ (2020年8月26日 21時) (
レス) id: f582612e68 (このIDを非表示/違反報告)
るむぽ(プロフ) - 10ページ？の阿部ちゃんの漢字が「安倍」になってますよ^^ (2020年8月26日 20時) (レス) id: f787327a83 (このIDを非表示/違反報告)
かれん(プロフ) - みーちゃんさん» ありがとうございます！これからもお付き合いいただけると嬉しいです！ (2020年8月26日 17時) (レス) id: f582612e68 (このIDを非表示/違反報告)
みーちゃん - すごく面白いです！更新頑張ってください！応援してます (2020年8月26日 15時) (レス) id: 721259c029 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かれん | 作成日時：2020年8月22日 9時
