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「どうしたんですか？…ほら、あなたはあの「力」があるのに、なぜ使わないんですか？あのスピードなら無理に回避しなくても大丈夫なのでは？」
kj「くっ…」
向井の「力」なら確かに銃弾が当たることはない。
しかし本能のままに暴れるということは、周りが見えなくなる…盲目的になることと同義であることも向井は今までの経験で理解していた。
今この相手に対して盲目的になることは致命的だ。
届きもしない敵に爪を向けたところで、隙を見つけられて殺されるのがオチだ。
だからこそ、その選択は取らない。
それを知ってか知らずか、男は心底不思議そうに見えるように語りかける。
「そちらのあなたも。それ以上「力」は使えませんか？「力」持ち相手だと効力が弱くなるパターンですかねぇ…」
mg「だ、まれ…！」
目黒は息を切らしながら叫ぶ。
「力」持ちを相手とすることなんて、普通、ないのだ。
慣れない事態に戦い方もよく分からない。
そのいらいらともどかしい気持ちに男を睨みつけても、帰ってくるのは嘲笑のみ。
目黒はさらにイラつく気持ちを自らの拳を握ることで抑えた。
そんな目黒を心配そうに見つめたからか、向井の動きが、止まる。
すぐにはっとして横に避けるが、男が見逃してくれるはずもなく。
____ばん。
軽いような重いような、もう聴き慣れた銃声が、響く。
それは的確に、向井の腹を貫通した。
そのまま、バタリと倒れる。
ゆっくりと血が広がって、このままだと、失血死するであろうということが目黒もひと目見ただけで分かった。
mg「……こうじ、？」
向井は答えられなかった。
ピクリと動きはしたが、それは本当に微々たるもので、混乱した目黒には伝わらない。
「まず1人、いなくなりましたね？…ほら、元部下。向かってきてください？仲間が1人死ぬくらいでそんなに混乱しないでほしいですね。これで死ぬ程度なら切り捨てるべきです」
男の口調は煽っているようなものから、平坦なものへ変わっていく。
目黒を冷たく見下ろし、そして向井を一瞥した。
mg「……黙れ。黙れ、だまれだまれだまれ」
俯いたまま目黒は何度も繰り返す。
その時目黒の耳に向井の細すぎる声が届いた。
kj「めめ…？」
弱々しくて、今にも消えそうな声に、目黒は顔をばっとあげる。
それから向井のほうを見て、一瞬ほっとしたように顔を緩める。
それを見て不快そうに顔を歪めた男は向井の二の腕を撃つ。
向井が低く唸り、それを見て目黒の瞳が暗くなっていった。
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かれん(プロフ) - るむぽさん» わー!?誤字報告感謝です!!すっごく助かります！訂正させていただきました！ (2020年8月26日 21時) (
レス) id: f582612e68 (このIDを非表示/違反報告)
るむぽ(プロフ) - 10ページ？の阿部ちゃんの漢字が「安倍」になってますよ^^ (2020年8月26日 20時) (レス) id: f787327a83 (このIDを非表示/違反報告)
かれん(プロフ) - みーちゃんさん» ありがとうございます！これからもお付き合いいただけると嬉しいです！ (2020年8月26日 17時) (レス) id: f582612e68 (このIDを非表示/違反報告)
みーちゃん - すごく面白いです！更新頑張ってください！応援してます (2020年8月26日 15時) (レス) id: 721259c029 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かれん | 作成日時：2020年8月22日 9時
