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その日から俺の日課は小児病棟のパトロールになった。
阿部くんの病室を探すため。

6人部屋、4人部屋と見ていっても阿部くんはいなくて、残すは1人部屋だけになった。
…時間かかるなぁ。
みすった。

…俺は漢字があんまり読めないから、1部屋1部屋中まで確認しなきゃで、もう1週間も経っちゃって。
それから2日後にようやく阿部くんの部屋を見つけた。

なんだか誰かが話しているような声が聞こえて、そろ〜っと覗く。
中にはベッドに座る阿部くんと横に立つ先生がいて、言い合ってる感じがした。

「…阿部くん。それは、治さないといけないんだ。それをご両親も望んでる。一緒に頑張ろう?」
ab「あはっ。先生、面白いこと言いますね。あの人たちがなんでそれを望んでるか、なんて俺でもわかりますよ?…世間体。それなら俺はこのままでいい。今までの報復、ですよ」
「…阿部くん…!」

先生は苦しそうな顔をして、それを見て阿部くんはさらに笑う。

ab「うそうそ、分かってますよ、先生。俺は消えられるように頑張ります」
「……阿部くん、」
ab「じゃあ、今日はもういいですか?」
「ああ。…それじゃあ、またね」

先生がこっちに向かってきて、慌てて隠れる。
…よし、気づかれてない。
阿部くんの部屋に入ろうとしたんだけど、その顔がなんだか…なんて言うんだろ、変で、ためらってしまう。

阿部くんは体を小さくして、くく、と笑った。

ab「う、ふふ。あははっ!…馬鹿だなぁ。簡単に騙されて。あんたも母さんと父さんの言いなり人形の癖に、苦しそうな顔なんかして。…はー、おっかし。………これを、治す?そんなのする訳ねぇだろ。あはっ…」

…よくわかんない。
でも、阿部くんは病気を治したくなくて…でも治したいフリをしてて…?
それで、先生を騙してて。

なんだかそれが格好良かった。

ab「…ん?…あ、あの…?」

なんてそんなの思ってたら。
…やばい。
気づかれた。

「…えぇっとぉー…こんにちは、阿部くん」
ab「…いらっしゃい、かな?…入ってよ」
「あ、うん」

言われるがまま病室に入ると、さっきと全然違うふんわりした顔で笑ってくれる。
なんでか分かんないけどほっとして、でも走れないからできるだけ速く歩いて阿部くんに近寄る。

「久しぶり!ちょっと探しちゃったよ!」
ab「はは、ありがと」

…うん。
大丈夫だよね、って、あれを聞いてみる。

「ね、阿部くん。阿部くんは何の病気なの?」

阿部くんの表情が固くなった気がした。

・→←元凶 −case of pink and green−



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かれん(プロフ) - 晦由さん» うわぁぁ、すみません!また設定ミスりました…あのページはもう少しあとのお話です。訂正させて頂きました。混乱させてしまって、本当にすみません!教えてくれてありがとうございました! (2020年12月5日 23時) (レス) id: f582612e68 (このIDを非表示/違反報告)
晦由(プロフ) - 34ページ、多分違う話が入っていると思います…(?)意図的だったり私の気のせいだったらすみません。 (2020年12月5日 23時) (レス) id: c44f20117a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かれん | 作成日時:2020年11月23日 21時

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