元凶 −case of blue and red− ページ20
A few years ago.
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nb side
物心ついた頃には父親はいなくて、精神が不安定な母親と2人での生活が生まれてすぐ始まった。
…それはそれは苦痛な日々。
母子家庭なんだから母親はもちろん仕事に行くわけで、嫌がる子も多い保育園が俺の唯一の安息の地だった。
特に歌が大好きで、友だちも、先生も、すごいね、上手だね、もっと聞きたいなって、そう言ってくれた。
小さな俺は嬉しくて、誇らしくて。
だから、あんなことしたんだろうな。
母親が仕事から戻ってきたとき、聞いてとしつこく言って、1番みんなが褒めてくれた歌を歌った。
『やめて！』
でもそれは失敗に終わった。
パシンと頬を叩かれて、そこから母親は更に壊れていった。
『歌うな…歌うな…歌わないで…！…声も、何もかもあの人にそっくり！…ああぁ…もう、話すな、話すなぁっ…！』
それは初めて聞く、母親の低い低い声だった。
それから、俺が話すと叩かれて、歌えば殴られた。
後から知った話だが、俺の父親は無名のミュージカル俳優だったらしい。
でもそんなのもう遅い。
小さな頃から何度も何度も話すな、歌うなと言われた俺の声はとうの昔に出なくなっていた。
こういうの、失声症っていうのだろうか。
それを聞いた母親はひどく喜んで、俺を愛するようになった。
障害者のクラスに通わせて、毎日笑顔で俺に行ってきますとただいまを言うようになった。
その姿は酷く滑稽で、自分の母親ではあるものの、何度も吐き気を覚えた。
高校までを耐えた俺は大学への進学を期に小さな頃から俺のそばに寄り添ってくれた涼太と一緒に住むことになった。
実家を離れるのを許してくれたのも涼太の存在が大きいと思う。
涼太自身も過眠症を患っていて、お互いに支え合いながらの生活が始まった。
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かれん(プロフ) - 晦由さん» うわぁぁ、すみません!また設定ミスりました…あのページはもう少しあとのお話です。訂正させて頂きました。混乱させてしまって、本当にすみません!教えてくれてありがとうございました! (2020年12月5日 23時) (
レス) id: f582612e68 (このIDを非表示/違反報告)
晦由(プロフ) - 34ﾍﾟｰｼﾞ、多分違う話が入っていると思います…(？)意図的だったり私の気のせいだったらすみません。 (2020年12月5日 23時) (レス) id: c44f20117a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かれん | 作成日時：2020年11月23日 21時
