【名探偵コナン】この世に存在するすべての悲しみを私に。-2-

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** スコッチ side
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「...言い訳は」
「考えなくても大丈夫。あの親父の行くとこなんざ大体の見当はついてるぜ」


本当は"大体"なんてもんじゃないけど。
この娘を解放するにはそれなりの"代わりになるもの"が必要だから。


「最近ギャンブルに大量に金つぎ込んで借金までしてた人間が行くところなんて限られてるだろうよ。お前だって本当は分かってただろ？」
「まあ...大体は。でも確証がない」
「確証なんてなくたって。行ってみれば分かることだろ」
「用意周到なお前らしくないな」
「そうか？......なら、これが本当の俺だよ」


偏食家で、掃除が苦手で、会議みたいな椅子に座りっぱの仕事も嫌いで。
目の前で横たわる死体に動揺して思わず誰もいないところで涙が出てくるような、そんな...
俺は...弱っちい人間だ。


...なんつって。


そうと決まればすぐに出発の準備をしなくては。
早速、泣き疲れていつの間にか寝てしまっていた少女の腕に巻かれたロープを外す。


あー、やっぱり。
痕付いちゃったか...


「...おい、」
「んー？お前もさっさと干してある下着取ってこいよ」


せかせかと荷造りをする俺にライが声をかけてきた。


「本当にいいんだな？...お前を信じても」


この男は......一体俺をどこまで読み尽くしているのだろう。
お前が考えてることなんてお見通しってか？


「あぁ......万が一の時は、俺が全責任を負ってやるから心配すんな」


そう。

万が一の時は...俺が。
俺だけが背負えばいい。

そして、こいつに。
俺の大事な相棒と...たった1人の家族をお前に。




「頼んだぞ....ライ」


あいつに聞こえないくらいの小さな声で呟いた。



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