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次の日、私はデスクに着くなりキャメルの席は向かった。
「キャメル、仕事」
「...雑用ならやらないぞ。それにお前の方が早いだろ」
「違う」
アンドレ・キャメル捜査官、私と同じ25歳、独身。
赤井さんと系統は違うが人相が悪く、同期の中でも私にだけ当たりが強い。
図体が大きいドイツ系アメリカ人。
「あなたが尊敬してやまない赤井捜査官直々のご指名」
「あ、赤井さん!?...ってことは、あの作戦のメンバーに俺が...?」
赤井さん曰く、キャメルはFBI内でも卓越したドライブテクと運動神経を持っており、何より日本には慣れているようで土地勘があるらしい。
確かに、今回の捕獲作戦にはもってこいの人物だ。
噂通り、本当に大好きなようで目をキラキラさせながらこっちを見ている。
これは釘を刺しておかないと。
「言っとくけど、この作戦はチャンスは一度きりで失敗なんて論外だから。浮かれた気持ちで臨まれるのは迷惑。資料、昼過ぎの会議までに読んどいて」
「分かってるさ...赤井さんが長年追い続けてるあの組織の幹部を捕獲するんだろう?」
今回の捕獲作戦の詳細が書かれた資料をキャメルの胸に押しつけて私は立ち去った。
その昼の会議までに、別件でやらなければならないことがあるから。
「あら、A。朝からどこへ?」
「下で待たせてる方がいるんです。少し出てきます」
ジョディ先輩は勿論待機組。
本当は入れようか迷ったんだけど、ジェームズさんに止められた。
どうやら、過去に組織の人間と接触したことがあって顔を覚えられてる可能性があると。
私と全く同じじゃないかと思いつつ、まあ今の段階で気にする必要はなさそうだ。
ということで、私はいつぞや赤井さんに素性を疑われて尋問を受けたあのカフェで"ある人"と会う約束をしていた。
「お待たせして申し訳ありません」
「いえいえ...それより、お体の方は大丈夫ですか?」
「はい...その節でご迷惑をおかけして...」
以前、私に会いに尋ねてこられた樫村さん。
当時は色々な不幸が重なっていっぱいいっぱいだったから、結局まともに話を聞くことができなかった。
「とんでもない!私が突然一方的に仕事場にお邪魔したんですから」
「本当、力不足で済みません。それでヒロキのことで私なりに考えてみたんですけど、」
「あ、あの...その件なんですが、」
樫村さんは焦るように私の言葉を遮ると、申し訳ないと深く頭を下げてきた。
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あーさ(プロフ) - とても深いグリーンさん» ご愛読ありがとうございます!r18タグに関しましては目次のページを御覧下さい♪ (2018年4月19日 1時) (レス) id: 40de11ab60 (このIDを非表示/違反報告)
とても深いグリーン(プロフ) - いつも楽しく読ませてもらってます(о´∀`о)ところで話は変わるんですが、どうしてR-18になってるんですか? (2018年4月18日 23時) (レス) id: 629a69f0d0 (このIDを非表示/違反報告)
あーさ(プロフ) - 佰さん» なんと嬉しいお言葉...(T^T)書きたいときに書く気分屋野郎ですが、よろしくお願いします! (2018年3月1日 17時) (レス) id: 611fb27d39 (このIDを非表示/違反報告)
佰 - すごくいい話ですね!もう感動しました。続き楽しみにしています!これからも更新頑張ってください! (2018年2月27日 21時) (レス) id: e1e57bb127 (このIDを非表示/違反報告)
あーさ(プロフ) - 那月さん» はじめまして(^^) な、なんと...!貴重な情報提供をありがとうございます!間違ってなくてよかったです...とても安心しました(^◇^) (2017年10月1日 20時) (レス) id: 611fb27d39 (このIDを非表示/違反報告)
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