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-failure and breakaway - ページ35

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着信画面に表示されたのは、[ 赤井さん ]の文字。

前回の着信から1ヶ月も経っていない。
彼にしては珍しい...というか、あり得ない。

報連相ができない彼がこうして急ぎの時にしかかけてこない電話が間を空けずに来るということは...



「...もしもし、」
「あぁ、お前か。すまないが、急ぎの要件がある。一度しか言わないからよく聞け」
「いやちょっと待ってください。私が出先だって可能性も考えてくださいよ」



お前かって...私の携帯なんだから分かってるだろ。
でも、いつも冷静さに関しては揺らいだことのいない彼を考えると、迅速に対応しなければいけないという切羽詰まった状況にいることは確かだ。

私は急いでリビングに戻り、裏が博士のチラシとボールペンを用意した。



「メモの準備できました。どうぞ」
「一度しか言わないからな......今度、ジンと2人だけで組む任務がある」



私はメモを取りながら静かにつばを飲み込んだ。
ジン......ボスに気に入られている幹部の中でも最も重要な人物。
赤井さんもそんな人間と組むようになったなんて...出世、したのかな。



「奴を捕獲できれば組織の深いところまで探ることができる。いや、ボスに辿り着くまでの道も俄然近くなるはずだ」
「その捕獲はどのように?」
「お前の方から4人ほど人員が欲しい。あまり多くても連絡が取りにくいんでな」
「...まさか、力尽くで押さえるっていうんじゃ」
「そのまさかだ」



やはり、時間がないらしい。
こんなチャンスが一度きりしかないような無謀な作戦に出るなんて、よっぽどだ。



「分かっていると思うが、お前は来るなよ」
「分かってます。元は組織に狙われていた身ですからね」
「分かっているなら良い「ただ今戻りました」」



...ん?今のって赤井さんの声じゃない...よね。
どこかで聞いたことがあるような...ないような。

少し考えていると、小さく”すまん”とだけ聞こえて通話が切れた。
きっとあの声は組織の人間だったんだろう。

あの声は、確かにどこかで聞いたことがある。
少し高めで、鼻につくようなあの感じは。



「...いっけない、それより今は!」



あの親父に会って言ってやろうと思っていたが、予定変更。
このことをジェームズさんにいち早く伝えるために本部へと向かった。



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あーさ(プロフ) - とても深いグリーンさん» ご愛読ありがとうございます!r18タグに関しましては目次のページを御覧下さい♪ (2018年4月19日 1時) (レス) id: 40de11ab60 (このIDを非表示/違反報告)
とても深いグリーン(プロフ) - いつも楽しく読ませてもらってます(о´∀`о)ところで話は変わるんですが、どうしてR-18になってるんですか? (2018年4月18日 23時) (レス) id: 629a69f0d0 (このIDを非表示/違反報告)
あーさ(プロフ) - 佰さん» なんと嬉しいお言葉...(T^T)書きたいときに書く気分屋野郎ですが、よろしくお願いします! (2018年3月1日 17時) (レス) id: 611fb27d39 (このIDを非表示/違反報告)
- すごくいい話ですね!もう感動しました。続き楽しみにしています!これからも更新頑張ってください! (2018年2月27日 21時) (レス) id: e1e57bb127 (このIDを非表示/違反報告)
あーさ(プロフ) - 那月さん» はじめまして(^^) な、なんと...!貴重な情報提供をありがとうございます!間違ってなくてよかったです...とても安心しました(^◇^) (2017年10月1日 20時) (レス) id: 611fb27d39 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あーさ | 作者ホームページ:nothing  
作成日時:2017年10月1日 0時

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