【名探偵コナン】この世に存在するすべての悲しみを私に。-2-

- boy and loneliness - ページ31

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兄の携帯電話に、私が赤井さんに頼まれて製作した小型盗聴器兼発信器が付着していたことについて。

赤井さんが不定期に送ってくださる組織内の情報によると、組織の幹部クラスの中でもボスからの信頼が厚いジンという男と、幹部クラスではないものの赤井さんと同レベルぐらいの立ち位置にいるバーボンという男の2人が兄の死に関わっているらしい。

相変わらず酒の名前ばっかりだな、と思いつつ。
組織内で呼び合う用の名前、コードネームの法則が少し分かってきた。


男性陣で現段階で把握しているのは、ジン・ライ・バーボン。
...そして、兄のコードネームであるスコッチを入れて4人。

女性陣は、シェリー・ベルモットの2人。


男性陣は全て"蒸留酒"に分類される酒で、
女性陣は(まだ2人しか分かっていないので断言は出来ない)"甘味の強い"酒。


まだまだ組織の人間はいるはずだから、先に名前でリストアップしておくのもいいかもとパソコンを立ち上げたときだった。



「A君、ちょっと」



ジェームズさんが、何やら深刻そうな雰囲気を纏いながら小声で話しかけてきた。
ここ最近は暗いニュースばかりで正直気疲れしていたので、良い話ではないなと思いつつもどこか期待していた。



「君に相談したいと仰ってる方が来ててね」
「私に？」



もしかして、ヒロキかな。
この前、一緒にお昼食べる約束ドタキャンしちゃったから改めて誘いに...なんてあるわけないか。
ここFBIだし、わざわざヒロキがこんなところまで来るはずがない。
じゃあ...誰？

疑問は深まるまましばらく長い廊下を歩いて、連れてこられたのは来客室だった。



「先に入りな。私は戻る」
「...？じゃあ......失礼します。遅くなって申し訳ありません、野中です」



ジェームズさんに促されて来客室のドアを開けると、そこで待っていたのは...



「野中さん...初めまして」



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「樫村(かしむら)忠彬(ただあき)と申します。沢田ヒロキの父です。いつも息子がお世話になっていたと聞いたもので...誠に無礼ながら、急ぎの相談をさせていただいてもよろしいでしょうか？」


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