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よくある古びたビルの屋上で、刺さるほど痛い真冬の風を受けながら。
静かに、ただただ静かに。
時間だけが2人の間を流れていった。



「あの...これは?」
「...」



妙な胸騒ぎがして、ヒロキと昼食を食べる誘いを断って急遽日本に飛んできたのだが。
空港に着いてすぐに赤井さんに連絡メールを入れると、返ってきたのは1本の電話だった。



『...東都タワー近くの8階建てビルの屋上』
『そこにいらっしゃるんですか?』
『...あぁ』



なぜメールでなく、電話で返したのか。
赤井さんの様子がおかしいのは覗えたが、一体何があったのかまでは推理できなかった。
でも ___________ 。



中の配線がむき出しになった、血だらけの携帯電話。
それを私に手渡した彼の表情が全てを物語っていた。



「お前の...兄貴の携帯だ」



そう告げた彼の後ろに見えたもの。
コンクリートの壁に散らばった赤黒い液体は、もう誰に聞かなくとも _________ 。



「...すまなかった」



あぁ...陣平さんの時と同じだ。
全て把握しているのに、全て分かっている...けど。

目の前に突きつけられた事実 _______
それが自分が最も望んでいなかった"終わり"であったが故に、体が冷静さをひどく欲していた。



「...なんで、あなたが謝るんですか?......あなたは兄の死に加担したわけじゃないんでしょう?」



"兄の死"______ そう口に出してみても尚他人事のように感じてしまう。
ずっとずっと一緒だと思っていた、この世で誰よりも大切で守りたかった存在を...



「...あっ.......」



そうだ。
私は兄のために...お兄ちゃんのためにアメリカに渡って......
大きな大会に何度も出て賞金を勝ち取ることができれば、お兄ちゃんにもっと楽させてあげられると思って...

そんな私の人生の全てとも言えた大切な人を、私は。



「...俺は止められたはずだった」
「......えっ、」



赤井さんは私と目を合わせずらそうにアスファルトを見つめながら。
眉間にたくさんの皺を寄せて、ぽつりぽつりと話し始めた。



「あいつの"最期"に立ち会ったのは...俺1人だ」



彼は何を言っているのだろう。
元々機能していなかった思考回路が一気に冷めていく。

兄の最期に立ち会った...?
じゃあ、まさか......そんな...赤井さんが......?



「それって......そんな......あなたがそんなこと、」
「いや、俺ではない......でも、」



.



.



.



.



「...俺が死に追いやったようなものかもな」


.

2→←-love ≠ truth ?-



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あーさ(プロフ) - とても深いグリーンさん» ご愛読ありがとうございます!r18タグに関しましては目次のページを御覧下さい♪ (2018年4月19日 1時) (レス) id: 40de11ab60 (このIDを非表示/違反報告)
とても深いグリーン(プロフ) - いつも楽しく読ませてもらってます(о´∀`о)ところで話は変わるんですが、どうしてR-18になってるんですか? (2018年4月18日 23時) (レス) id: 629a69f0d0 (このIDを非表示/違反報告)
あーさ(プロフ) - 佰さん» なんと嬉しいお言葉...(T^T)書きたいときに書く気分屋野郎ですが、よろしくお願いします! (2018年3月1日 17時) (レス) id: 611fb27d39 (このIDを非表示/違反報告)
- すごくいい話ですね!もう感動しました。続き楽しみにしています!これからも更新頑張ってください! (2018年2月27日 21時) (レス) id: e1e57bb127 (このIDを非表示/違反報告)
あーさ(プロフ) - 那月さん» はじめまして(^^) な、なんと...!貴重な情報提供をありがとうございます!間違ってなくてよかったです...とても安心しました(^◇^) (2017年10月1日 20時) (レス) id: 611fb27d39 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あーさ | 作者ホームページ:nothing  
作成日時:2017年10月1日 0時

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