9話 ページ9
リーマスside
面白い程に動揺した表情を浮かべるセブルス。
君はリリーへの愛が大きかった。
君にはリリーだけだった。
だから新しい気持ちにも気づけない。
気づかない。
「初めはどうであれ、君は彼女が好きなはずだ。
覚えているだろう？その胸の痛みを。心の苦しみを。
それは全て、リリーに対して君が感じていた感情と同じなんじゃないのかい？」
「そんな事…あってはならない。
我輩は罪の償いを、あの日の言葉への償いをしなくてはならない。
そんな我輩が幸せになってはならない。
ましてや彼女になど、一度復讐を誓った相手になど、恋をしてはならないのだ。」
あぁ、そうやって君は押し殺してしまうのかい？
君は幸せになっていいのに。
君が言わないと彼女は逃げてしまうよ？
自分の気持ちに気づかないフリをしている彼女はどんどん遠くに行ってしまうよ？
「セブルス、君はそれでいいのかい？」
「彼女の、Aのせいでリリーは死んだ。
その事実だけは変えられん。
あの日我輩は復讐を誓ったのだ。」
「でも出来なかった。」
「それはっ！」
「恐怖であったにしろ、そうでなかったにしろ、君は彼女を生かしたままでいる。
必死になれば不死の呪いを解く方法だって見つかるかもしれないのに。」
「それでも我輩は彼女を愛していない。」
言い張るセブルスは必死に己を守ろうとする小動物のようで。
ふと昔、友人達が彼にしていた事を思い出して申し訳なくなった。
「分かったよ。でも、何時までも自分の気持ちに嘘をつけないよ。」
君も、彼女もね。
─────
セブルスside
ルーピンに言われた事のせいで食事中も落ち着かず、何人かの生徒に不自然に思われるほど奴の方を見ていた様に思う。
今日は珍しくAが食事に来なかったので安心した。
来ていたらまともに顔を見れないだろうから。
そう言えば最近きちんと睡眠も食事もとるようになった。
寝ている間に何かしそうで怖い、不死なのに命を頂くなんて出来ないと睡眠も食事も拒んでいた頃よりは。
これはしつこく我輩が連れ出した為に一度怒って叫んだ事から分かったのだが。
思えばこれが初めて彼女の秘密を1つ知った日だった。
「放っておいてよ！理由も知らないのに！」
「あぁ、知らない。だから教えろ！」
そう言って無理に聞き出したのだった。
思い出に浸っているといつの間にか食事が終わり、廊下がざわめき出した。
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夜彩(プロフ) - ありがとうございます！励みになります！ (2018年12月2日 8時) (
レス) id: 3659269758 (このIDを非表示/違反報告)
Lei01(プロフ) - このシリーズ大好きです！更新ありがとうございます！！ (2018年12月1日 21時) (レス) id: 5adfb421b9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜彩 | 作成日時：2018年12月1日 16時
