7話 ページ7
セブルスside
授業終了時間を大分過ぎてからAは戻ってきた。
ルーピンと何か話していたに違いない。
胸の辺りがモヤモヤする。
何時もならすぐ報告してくるであろうAが黙ったままで居るのにしびれを切らして自ら話しかける。
「どうだった、ルーピンの授業は。」
「まぁ、及第点ってとこかしら。」
「…君がそんな事を言うのは珍しいな。ルーピンの入れ知恵か？」
「まさか。生徒のウケはいいわ。でも1つ問題が。」
「何だそれは？」
「リーマスはセブルスに殺されかねないって所かな。」
当たり前の様に言ったAを揺さぶって問いただす。
「ボガートの、授業だったの！
それで、ネビルの時に、ボガートが君に変身して…」
首を大きく揺らし、途切れ途切れに言うAが悲鳴をあげる。
ボガートが真似た我輩はみょうちくりんな格好で生徒達の笑い物になったと聞いた瞬間肩を掴んでいた手に力が入ってしまったからだが。
我輩が笑い物にされた事にはイラつくがAがルーピンの授業を評価しなかった事が何故か気持ちを落ち着かせた。
暫く肩について文句を垂れていたAだったが不思議そうに訪ねた。
「どうして職員室で私達が来るのを待っていたの？」
「…」
言葉に詰まる。
何故我輩は職員室で奴等を待っていた？
普段の我輩ならそんな事はしないだろう。
嫌いな人間を待つなど。
─待っていたのは嫌いな人間じゃ無かったのか？
Aの目が碧く輝き此方を覗き込む。
「貴様には関係の無い事だ！」
「ちょっと何よそれ！セブルス!?」
慌ててAから離れる。
我輩は嫌だったのだ。
Aがルーピンと過ごす事が。
だから少しでも邪魔をしようと待っていたのだ。
だからあの時も肩を竦めるだけで立ち去った。
”ちょっと、何しに来たのよ！”
”貴様以外に用はない”とは口が裂けても言えないから。
何故そうした？
別にAが誰と一緒に居ようがどうでもいいのではないか？
我輩とAは只の仲の良い友と呼べる存在で、教授と准教授なのだから。
どうして？
分かった。ルーピンは我輩を虐めていた奴だからだ。
そんな奴に数少ない友を取られたくないが為に邪魔をする必要があった。
そうだ。そうに違いない。
我輩は此奴の事など何とも思っていないのだ。
此奴を許してしまうのは友だからなのだ。
それ以外の理由などある訳が無い。
あってはならないのだ。
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夜彩(プロフ) - ありがとうございます！励みになります！ (2018年12月2日 8時) (
レス) id: 3659269758 (このIDを非表示/違反報告)
Lei01(プロフ) - このシリーズ大好きです！更新ありがとうございます！！ (2018年12月1日 21時) (レス) id: 5adfb421b9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜彩 | 作成日時：2018年12月1日 16時
