番外編 セブルス・スネイプ生誕祭 ページ41
セブルスside
何かおかしい。
そう思ったのは昼を過ぎてからの事だった。
普段は自分の部屋よりも我輩の部屋に居ることの方が多いそんな此奴が、今日は一度も部屋に来ないのだ。
授業中でさえ我輩と目を合わせないようにしている。
「体調でも悪いのか？」
「全然！どうして？あ、ほら、授業始まっちゃう！」
言葉を交わそうと努力してみても躱される。
「悩み事かの、セブルス。」
昼食後、校長に呼び止められ、何か分かるかもしれないと一縷の望みを託し今日の奇行を話す。
「ほっほっ、それはそれは。
Aが自分の部屋以上に君の部屋で過ごしていることが当たり前なのが驚きじゃが、心配することはない。
今日中には分かるじゃろう。」
なんの解決にもならず、豊かな髭を撫でながら遠ざかって行く背中を少し睨んだ。
視線をずらすと焦った様に目を逸らすAを捉えた。
そのまま近寄り手で壁に縫い付ける。
「あー、何？」
「何故先程から目を背ける。罰則だ。付いてきたまえ。」
罰則って、私は生徒じゃない…という呟きも我輩の前にはそよ風に等しい。
初めはブツブツと文句を言っていたがそのうち静かに手を引かれるままに付いてきた。
「何故避ける。」
「避けてなんか、」
「今日一日我輩の部屋に来なかった。話しかけても居なくなる。目を逸らす。
…それに、今日はまだ一度も我輩の名を呼んでいない。」
呆れたように焦らすようにゆっくりと差し出された箱を受け取ると開けるように催促してきた。
「これは…」
「最近、インクが上手くのらなくなってきたって言ってたでしょ？だから…」
箱に入っていたのは見るからに値のつく羽根ペンだった。
軽やかに揺れる羽根は優雅で、力強くのびた芯は何年使っても耐えられそうだ。
「誕生日か。」
「忘れてたでしょ？サプライズで渡そうと思ってたのに…」
目の前の彼女が以前よりも数段可愛く見えてしまい軽く頭を撫でる。
赤くなって俯いた彼女を無意識に視線でなぞった。
流れるシルバーブロンドに。
澄んだ瞳に。
艶やかな唇に。
華奢な肩に。
柔らかそうな肌に。
これは完全に惚れたな、と笑みを漏らすと共に感謝の言葉を1つ落とした。
01.09 Happy Birthday
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夜彩(プロフ) - ありがとうございます！励みになります！ (2018年12月2日 8時) (
レス) id: 3659269758 (このIDを非表示/違反報告)
Lei01(プロフ) - このシリーズ大好きです！更新ありがとうございます！！ (2018年12月1日 21時) (レス) id: 5adfb421b9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜彩 | 作成日時：2018年12月1日 16時
