35話 ページ35
貴女side
「良かったわね、シリウス、ハリー。」
シリウスの久々の笑顔は昔の魅力的な雰囲気を一瞬だけ取り戻した。
シリウスはセブルスを穴の外に出し、それから一歩下がってハリーとハーマイオニーを先に通した。
皆無言で校庭をひたすら歩いた。
辺りは真っ暗で、明かりと言えば遠くに見える城の窓から漏れる灯だけだ。
窓の灯が徐々に大きくなっきたその時、雲が切れた。
突然校庭にぼんやりとした影が落ち、一行は月明かりを浴びていた。
「リーマス、今日はあの薬を飲んで無いわよね？」
「逃げろ！早く！」
リーマスの頭が長く伸び、体中毛が生え出す。
シリウスも変身して躍り出る。
武装解除の呪文が聞こえたかと思うとハリーがペティグリューが拾った杖を奪っていたが遅かった。
変身したペティグリューが拘束していた手錠から抜け出す。
シリウスが投げ飛ばされリーマスが私達を捉えた。
「リーマス？」
「やめて下さい先生！」
「大丈夫よ、リーマス。心を確りと…」
リーマスが襲い掛かろうとする。
後ろ手で3人を庇う。
何としても3人だけは守らなきゃ。
「何をしているんだA。早く、」
「セブルス！」
気がついたセブルスが私達に近寄ってきたが直ぐに変身したリーマスに気付き私達を庇う。
「早く3人を連れて逃げて！」
「君を置いて行けん！」
「A!!」
リーマスに殴られる。
もう一度リーマスがハリー達を襲おうと飛びかかった瞬間シリウスが体当たりした。
そのまま2人は森の方へと疾駆して行き、ハリーがその後を追う。
「ハリー。」
「待つんだA！」
「2人を城まで連れて行って！誰かに伝えないと！」
ハリーを追って走る。
キャンキャンという声を頼りに湖を目指す。
走って体は暖まってきているはずなのに寒気を感じる。
まさか。
「ハリー、シリウス！」
「やめろ、やめてくれ、頼む！」
夥しい量の吸魂鬼が真っ黒な塊になって湖の周りから滑るように近づいている。
「エクスペクトパトローナム！A先生、助けて！エクスペクトパトローナム！」
呪文を唱えようと杖を探すが見当たらない。
リーマスに殴られた時に落としたのか。
吸魂鬼が近づいてくる。
もう3ｍと離れていない。
ハリーの杖先から銀色の筋が出るが吸魂鬼は立ち止まり、フードを外した。
女の笑い声を聞きながら私は気を失った。
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夜彩(プロフ) - ありがとうございます！励みになります！ (2018年12月2日 8時) (
レス) id: 3659269758 (このIDを非表示/違反報告)
Lei01(プロフ) - このシリーズ大好きです！更新ありがとうございます！！ (2018年12月1日 21時) (レス) id: 5adfb421b9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜彩 | 作成日時：2018年12月1日 16時
