25話 ページ25
セブルスside
帰ってきたAは私室に篭ってしまった。
ノックをしてドアを押すと鍵を掛けていなかったようでいとも簡単に開く。
その事に実は我輩に慰めて欲しいのではないのかと思ってしまう自分がいた。
「A。」
「全部私が悪いのよ。ハグリッドのフォローは出来ないし、ルシウスが私に喋らせようとしないのを振り切る事も出来なくて…」
「委員会がルシウス先輩に言いなりなだけだ。君に非はない。」
「このままじゃ控訴だって負けちゃう！」
「君は十分よくやった。
その場で処刑される所をホグズミードに連れて帰っていい事にしたんだろう？
ハグリッドから聞いた。」
「でも…」
「メソメソするな。そんな女は嫌いだ。」
子供をあやす様に頭を撫でてやれば直ぐに落ち着き、寝息が聞こえてきた。
相当疲れていたんだろう。
彼女をベッドまで運んで安らかな寝顔にキスが出来ないのを残念に思いながらその場を立ち去った。
─────
貴女side
イースター休暇が過ぎ、城内は直に行われるクィディッチ優勝杯の試合に浮き足立っていた。
特にスリザリンとグリフィンドールの寮の緊張は高まり、大騒動が起こって数人の生徒が耳から葱を生やして入院する騒ぎになった。
寮監も静かに火花を散らし、食事の度に繰り返される嫌味の攻防に2人の間に座っている私が出来るのは、黙々と料理を食べることだった。
そんな日々も今日で終わり！
ハリーの肩を叩き、緊張で青ざめるドラコを励まして観客席に向かう。
色々迷ったがセブルスの隣に行く。
メソメソする女は嫌いだと言って触れる君の手はとても優しかったから嫌われてないと思うけど。
「隣いい？」
「我輩の隣以外の選択肢があるのか？
どうせ来るだろうと思って開けておいた。」
さも当たり前の様に隣の空席を示すセブルスに笑顔が漏れる。
冷血に見える彼だけど、観客席の一番前に陣取り、皆と同じ緑を纏う姿は、暗い笑みが無ければいい先生に見えるのに。
「なんだ？」
「何も！試合が始まるよ！」
フーチ先生の号令で試合が始まると観客は熱気に包まれる。
お馴染みのリー・ジョーダンの解説で試合が盛り上がっている。
グリフィンドールは正々堂々と試合を展開するのに対し、スリザリンは持ち前の狡猾さで貪欲に勝利を目指す。
様々な思惑と作戦が交わされる中、優勝杯を手にしたのはハリー率いるグリフィンドールだった。
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夜彩(プロフ) - ありがとうございます！励みになります！ (2018年12月2日 8時) (
レス) id: 3659269758 (このIDを非表示/違反報告)
Lei01(プロフ) - このシリーズ大好きです！更新ありがとうございます！！ (2018年12月1日 21時) (レス) id: 5adfb421b9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜彩 | 作成日時：2018年12月1日 16時
