12話 ページ12
セブルスside
「君はもっと賢いと思ってた。リーマスだけじゃなく生徒にまであたるなんて君らしくないじゃない。」
「…我輩らしくないだと？貴様は何を知っているんだ！我輩の意思も、行動も何一つ理解出来ていないではないか！
それなのに貴様はちょろちょろと我輩の後をついてくる！
かと思ったらすぐに他所に行ってしまう！
一体どれだけ我輩が貴様の為に行動したと思ってる！
賢者の石の時も秘密の部屋の時も貴様は、」
「いなくなれば良かった？」
酷く悲しそうな声で発されたその言葉は静かに響いて消えた。
何故自分だけが傷ついたような声を出すんだ。
それにイラつき、言ってはならない事を言ってしまった。
「そうだ。貴様がいなければ」
「なら如何してあの時私を助けたの？」
どの時だろう。心当たりがありすぎて分からない。
「初めて言葉を交わした時も、あの凍える様な夜も。」
凍える様な夜。
あの時あの場所には我輩だけが立っていた。
倒れた憎い男に、床に広がる赤毛。
小さな子供はベッドで寝かされて。
我輩は確かにあの時杖を向けた。
他でもないAに。
「自惚れるな。貴様の為に助けたのではない。」
「それでも、」
「分かったならサッサと我輩の授業から出て行け
「…そんな事こっちから願い下げよスニベルス。」
そう言われてやっと自分のしでかした事の重大さに気付いた。
待て、と言おうとして自分にはその資格がない事にも。
挙句この姿勢を崩さんとするプライドまでついているのだ。
ドアの閉まる音を背に授業を再開した。
──
授業が終わり、ルーピンに薬を持って行ってやる。
「早く飲め。」
「ありがとう、セブルス。ところでAと喧嘩したって本当かい？」
「そんな事だけは耳が早いな。」
「生徒達の声が聞こえたもんでね。この時期になると耳もよく聞こえるんだ。
珍しいね、君達が喧嘩なんてさ。何時でも一緒にいるのに喧嘩した姿は今まで1度だって見たこと無かった。
あんなにタイプが違うのにどうしてなんだろうって皆思ってた。
何があったんだい？」
「貴様には関係ない。」
「関係あるよ。いつだって君の愚痴を聞かされるのは私なんだから。あ、怒った？」
「いや。」
「怒ってるよ。…セブルス、男の嫉妬は醜いよ？」
ムカつく顔に薬を捩じ込んでやった。
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夜彩(プロフ) - ありがとうございます！励みになります！ (2018年12月2日 8時) (
レス) id: 3659269758 (このIDを非表示/違反報告)
Lei01(プロフ) - このシリーズ大好きです！更新ありがとうございます！！ (2018年12月1日 21時) (レス) id: 5adfb421b9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜彩 | 作成日時：2018年12月1日 16時
