1話 ページ1
貴女side
例えば、夢見る時がある。
私が普通の人間だったら。
生まれて、ホグワーツに通って、友達を作って。
恋して結婚して子育てして緩やかに老いていく。
それからそれから。
愛する人に囲まれて旅立つ。
そんな平凡な、人生。
こんな風に生きられたらいいと、ずっと、願っている。
…そんな奇跡が起きないことは知っている。
これまでの人生で何度目か分からない想像を止める。
あまりに吃驚し過ぎて思考が内側に引っ込んでしまった。
『ブラック未だ逃亡中』
デカデカと書かれた見出しにため息が出る。
これのせいで今年はディメンターが学校に寄越されるんだろうな、という予想を立てて憂鬱になった。
「そんな腑抜けた顔をしているのなら手伝え。」
首に有り得ないほどの重力がかかる。
よりにもよって一番厚い教科書を三冊も頭の上に乗せやがった。
「今年の闇の魔術に対する防衛術の先生はどんな人なんだろう。」
「ロックハートよりは優秀な事は間違いない。」
去年の闇の魔術に対する防衛術の先生であるギルデロイ・ロックハートはとんだ勘違い野郎だった。
自分のルックスを鼻にかけて他人の栄光を横取りして威張ってる奴。
今は聖マンゴで入院してるけど先生方はあの地獄の日々を忘れてはいない。
「今までの先生と違って本当に入学式まで誰か分からないからなんとも言えないけどね。」
普通は新学期の１週間には学校に来て荷物を置き、先生方への挨拶を済ませ、授業の準備をしておく。
だが今回の先生は何一つ情報が無いので少し不安である。
到着する生徒の案内の為外でホグワーツ特急を待つ。
「ねぇハグリッド。少し遅くないかしら？
毎年時間通りに来る汽車が遅れてる。」
「A、ハグリッド！」
「ミネルバ、どうしたの？」
「今車掌から連絡がありました。
ディメンターに襲われて遅くなるが直に到着するそうです。」
「ディメンターに襲われた!?
これだからあいつらは嫌なのよ。
見境なく魂を喰らう化物。」
「新しい闇の魔術に対する防衛術の先生が追い払って下さったそうです。」
「素晴らしい！今度はちゃんとした先生みたいね！」
ホグワーツ特急に乗ってきた生徒達が馬車で到着する。
ハリー達も無事なのを視線の端で捉えて他の生徒の誘導をする。
ドラコが何かハリーに突っかかっているようだが誰かが声をかけた。
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夜彩(プロフ) - ありがとうございます！励みになります！ (2018年12月2日 8時) (
レス) id: 3659269758 (このIDを非表示/違反報告)
Lei01(プロフ) - このシリーズ大好きです！更新ありがとうございます！！ (2018年12月1日 21時) (レス) id: 5adfb421b9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜彩 | 作成日時：2018年12月1日 16時
