いじょぽりじま ページ20
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『あー着いたって連絡きた…行くわ』
「うん!いってらっしゃい!」
悲しいけど。
いってらっしゃいは笑って言わなきゃね。
悲しいけど。
ドアの前で、なんとなく無言で見つめ合う。
ユンギ君、めがね似合ってる。かっこいい。
またしばらくケータイの画面越しの生活だ。
目と目が合うって、こんなに嬉しいの?
『ん』
ばっと腕を広げるユンギ君。
あ、飛び込んでもいいの?
「…お邪魔します」
『なんだそれ笑』
ぎゅー
香水、良い匂い。
睫毛に触れるユンギ君の首筋の白さも
ぎゅーっと抱きしめられて温かくなる気持ちも
ちゃんと自分に染み込ませる。
ブー ブー
と、薄っすら聞こえる着信音は
ユンギ君を待ってる合図。
『はー…うるさ』
こらこら、ユンギ君
よしっ
「…行かなきゃね。いってらっしゃい。がんばってね!」
『んーーー、行きたくねー』
せっかく意を決して離れたのに
むぎゅっとユンギ君のコートの中に戻された。
「…たくさんお金を稼いできて」←
『なんて女だ 笑」
見つめ合って、ちゅ と軽くキスをして
頭をぐちゃぐちゃーとした後に
首筋の自分が付けた跡を確認するようになぞられる。
くすぐったくて
ぐぅっと心臓が差し込む。
『気をつけて帰れよ』
「うん」
『連絡する』
「うん、私も」
『たまには写真送れ』
「…努力します」
『浮気したら許さない』
「そっちもね!ガールズグループに気をつけて!」
『全く興味ないから安心しろ』
『じゃ…またな』
「またね、仕事無理しないでね」
『はいはい』
パタンとドアが閉まって
ふぅと息を吐き出す
大丈夫。
袖をめくると、おそろいのブレスレットと真っ赤な無数の跡。
さっきまではこの跡に困ってたのになぁ
大丈夫。
さみしくないさみしくない。
ユンギ君が跡を残してくれたから。
私も部屋を出ないと。
マフラーで真っ赤な跡のついた首筋を隠して、日本に帰らないと。
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あむ(プロフ) - ゆんさん» とっても嬉しいお言葉ありがとうございます。゚(゚´ω`゚)゚。また思いついたらこっそり書きたいと思います!励みになりました。゚(゚´ω`゚)゚。ありがとうございます! (2019年2月19日 20時) (レス) id: e14d0f21f2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん(プロフ) - むちゃむちゃほのぼのにやにや。止まりませんでした! 不定期でもいいから、このまま連載続けて欲しい! (2019年2月19日 15時) (レス) id: d0d7586fa7 (このIDを非表示/違反報告)
あむ(プロフ) - Nyanさん» わー!一気読みありがとうございます!うれしいです(;_;)本当は塩にしたいのに希望も込めるせいか、つい甘々になっちゃうんですー笑 コメントありがとうございまーす! (2016年7月20日 21時) (レス) id: 2c29fdaac9 (このIDを非表示/違反報告)
Nyan(プロフ) - 一気に読みました!面白かったです!!甘々ユンギさん素敵です! (2016年7月20日 18時) (レス) id: ff69a3e054 (このIDを非表示/違反報告)
あむ(プロフ) - saya_*さん» わー!一気読みうれしいです(T_T)こちらのユンギさん甘めなんですよー!続きもどうぞよろしくお願いします!コメントありがとうございます^ ^ (2016年6月16日 18時) (レス) id: 2c29fdaac9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あむ | 作成日時:2016年2月21日 21時